株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

日本で開発治験中の新規喘息薬①  【IL-5受容体に対するanti-IL-5Rαの臨床研究が進行中】

No.4801 (2016年04月30日発行) P.56

東田有智 (近畿大学内科(呼吸器・アレルギー内科部門) 教授)

登録日: 2016-04-30

最終更新日: 2016-10-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

気管支喘息は気道の慢性炎症が主たる病態である。その機序として,獲得型アレルギーや自然型アレルギー反応によるIgE産生,Th2サイトカイン(IL-4,IL-5,IL-13など)が誘導され,好酸球や肥満細胞などの炎症性細胞の増加と気道リモデリングの亢進へと進行する。
喘息治療の基本は吸入ステロイド(ICS)であるが,さらなる効率的な抗炎症治療のために,これらのアレルギー性炎症に関わる分子を標的とした新規生物学的製剤が開発され,わが国においても治験が行われている。
ヒト化抗IL-5抗体であるメポリズマブは強い好酸球活性化抑制因子で,難治性で喀痰中の好酸球3%以上の喘息患者を対象にしたトライアルでは,FEV1(1秒量)の改善効果は認めなかったが,1年間の増悪頻度改善とQOLの改善効果が認められた(文献1)。さらに,ステロイド依存性で好酸球性気道炎症の残存する喘息患者において,ステロイド内服薬の減量効果があることも示されたことから(文献2),IL-5受容体に対するヒト化抗体(anti-IL-5Rα)においても臨床研究が進行中である。

【文献】


1) Haldar P, et al:N Engl J Med. 2009;360(10):973-84.
2) Nair P, et al:N Engl J Med. 2009;360(10):985-93.

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top