株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

COPDの薬物療法 【長時間作用性抗コリン薬,長時間作用性β2刺激薬が第一選択薬】

No.4801 (2016年04月30日発行) P.55

竹村昌也 (名古屋市立大学呼吸器・免疫アレルギー内科学病院講師)

新実彰男 (名古屋市立大学呼吸器・免疫アレルギー内科 教授)

登録日: 2016-04-30

最終更新日: 2016-10-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

COPDは慢性の進行性疾患であり,その増悪はQOLや呼吸機能を低下させ,生命予後に多大な影響を及ぼす。このため,安定期COPD患者の管理において,増悪の予防に努めることがきわめて重要であり,禁煙の徹底と気管支拡張薬を中心とした薬物療法が行われる。
近年,長時間作用性抗コリン薬(LAMA)と同等もしくはそれ以上の自覚症状や呼吸機能の改善効果を示す長時間作用性β2刺激薬(LABA)の登場により,LAMAとLABAが並んでCOPDの第一選択薬として使用される(文献1)。新規のLAMA単剤としてウメクリジニウム(エンクラッセR)やアクリジニウム(エクリラR)が上市された。LAMA/LABA配合薬では,インダカテロール+グリコピロニウム(ウルティブロR)に加え,新たにビランテロール+ウメクリジニウム(アノーロR)やチオトロピウム+オロダテロール(スピオルトR)が処方可能である。これら配合薬は,LAMA, LABA各単剤治療と比較して肺機能,症状やQOLの改善が認められている(文献2)。また増悪を繰り返す症例では,LAMA,LABA単剤および両配合薬に加え,吸入ステロイド(ICS)の追加により増悪抑制効果が認められている(文献1)。
近年では,喘息とCOPDが併存するオーバーラップ症候群(asthma COPD overlap syndrome:ACOS)が注目され,ACOSと考えられる患者ではICSを基本とし,LAMAやLABAが追加される(文献1)。

【文献】


1) Global Strategy for the Diagnosis, Management and Prevention of COPD:Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease(GOLD), 2016.
2) Oba Y, et al:Thorax. 2016;71(1):15-25.

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・整形外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療体制の救急告示病院として救急患者を受け入れています。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問診療、訪問看護、訪問介護体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top