株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

妊娠中の糖代謝異常の診断基準の統一  【ハイリスクGDMの表記は削除】

No.4790 (2016年02月13日発行) P.51

荒井秀仁 (日本大学糖尿病・代謝内科)

石原寿光 (日本大学糖尿病・代謝内科主任教授)

登録日: 2016-02-13

最終更新日: 2016-10-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日本糖尿病・妊娠学会と日本糖尿病学会,日本産科婦人科学会は妊娠糖尿病(GDM)の診断基準を2015年8月に統一した。
妊娠中に取り扱われる糖代謝異常について,「ハイリスクGDM」という状態については国際糖尿病・妊娠研究会基準に記載がなく,日本独自のものであった。GDMより重度であり,産後,糖尿病に進行するリスクが高いという2つの概念を反映させた意味でのハイリスクGDMであったが,周産期の一般的なハイリスク因子の概念との間に齟齬があり,今回,この表記が削除されることとなった。
しかしハイリスクGDMは,保険診療の血糖自己測定(SMBG)の適応病名として採用されている。そのため保険診療上は,SMBGの適用基準が改訂されるまでハイリスクGDMという表記を保険病名として引き続き使用する,とした。
また,改訂前には日本産科婦人科学会と日本糖尿病・妊娠学会による「妊娠時に診断された明らかな糖尿病」と,日本糖尿病学会による「明らかな糖尿病」に差異があった。HbA1cのみでは糖尿病と診断しない,という日本糖尿病学会の診断基準からすると,「(糖尿病と)診断された」という表現は妥当ではなく,「妊娠中の明らかな糖尿病(overt diabetes in pregnancy)」として統一された。それに伴い,糖尿病合併妊娠(pregestational diabetes mellitus)は,①妊娠前に既に診断されている糖尿病,②確実な糖尿病性網膜症があるもの,のいずれかを満たすものとして定義された。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

関連物件情報

もっと見る

page top