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抗MDA-5抗体陽性皮膚筋炎に対する治療 【ステロイド大量療法,免疫抑制薬,シクロホスファミド間欠大量療法の併用で予後が大幅に改善】

No.4789 (2016年02月06日発行) P.55

西岡亜紀 (兵庫医科大学内科学 リウマチ・膠原病科)

佐野 統 (兵庫医科大学内科学 リウマチ・膠原病科主任教授)

登録日: 2016-02-06

最終更新日: 2016-10-26

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抗MDA-5(melanoma differentiation-associated gene 5)抗体陽性皮膚筋炎は筋炎症状に乏しく,急速進行性間質性肺炎を高率に起こし,予後不良であるといった特徴的な臨床症状を認め,発症早期の治療介入が非常に重要である。
ステロイド大量療法と免疫抑制薬とシクロホスファミド間欠大量療法(IVCY)の3剤併用療法で予後が大幅に改善してきている。実際には,ステロイドを1mg/kg/日の高用量より開始し,カルシニューリン阻害薬(シクロスポリン,タクロリムス)を併用する。
わが国ではタクロリムスが多発性筋炎,皮膚筋炎に併発した間質性肺炎に対して2013年より保険適用となっている。また,IVCYは施設によって投与量や間隔,回数は様々であるが500mg/m2より開始し,投与量を漸増しながら2~4週ごとに投与し,合計10~15回継続する多剤併用免疫抑制療法が提唱されてきている(文献1)。
治療の指標として血清フェリチン値がある。これは抗MDA-5抗体陽性例での間質性肺炎の疾患活動性と相関する(文献2,3)。

【文献】


1) 中嶋 蘭, 他:日臨免疫会誌. 2013;36(2):71-6.
2) Nakashima R, et al:Rheumatology (Oxford). 2010;49(3):433-40.
3) Gono T, et al:Rheumatology (Oxford). 2012;51(9):1563-70.

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