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妊娠糖尿病(GDM)とインスリン

No.4768 (2015年09月12日発行) P.50

小清水由紀子 (富山大学第一内科診療講師)

戸邉一之 (富山大学第一内科教授)

登録日: 2015-09-12

最終更新日: 2016-10-26

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2008年,Hyperglycemia and Adverse Pregnancy Outcomes(HAPO)studyの結果が発表された(文献1)。この研究から,母体の高血糖のレベルと周産期合併症リスクの上昇は直線的相関であること,OGTTの各血糖値が各々独立して周産期合併症の発症と関連することが明らかとなった。その結果をもとに2010年6月,わが国で妊娠糖尿病(GDM)の新しい診断基準が承認された(文献2)。その結果,軽症例を中心にGDMと診断される患者が増加していると報告されている。
GDMでは,周産期合併症を軽減するために妊娠期間を通して厳格な血糖コントロールが重要である。血糖自己測定(SMBG)が血糖管理のため広く用いられている。また,近年普及している持続血糖モニター(continuous glucose monitoring:CGM)も,血糖プロファイルの把握と管理に有用な方法である。
妊婦の血糖コントロールの目標は,食前で100
mg/dL以下,食後2時間で120mg/dL以下とされている。分割食を含む食事療法のみで目標値を達成できない場合には,インスリン治療の適応となる。GDMでは食後血糖のコントロールのために,超速効型インスリンが必要となることが多い。アスパルトとリスプロで妊娠中の使用に関する安全性と効果が確認されており,第一選択となる。空腹時血糖も高値の症例では,持効型インスリンも必要となる。デテミルの妊娠中の使用について有効性と安全性が確認されている。

【文献】


1) HAPO Study Cooperative Research Group:N Engl J Med. 2008;358(19):1991-2002.
2) 妊娠糖尿病診断基準検討委員会:糖尿病と妊娠. 2010;10(1):21.

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