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新規発症気管支喘息患者に対する薬剤の選択基準と使いわけ

No.4779 (2015年11月28日発行) P.58

田中裕士 (NPO法人札幌せき・ぜんそく・アレルギー センター理事長/ 医療法人社団潮陵会医大前南4条内科院長)

登録日: 2015-11-28

最終更新日: 2016-11-10

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【Q】

気管支喘息治療において,吸入ステロイド(inhaled corticosteroid:ICS)は第一選択薬です。私自身も治療ガイドラインを参考に重症度に応じたICS用量を選択し,治療していますが,今日,長時間作用型β2刺激薬(long acting β2 agonist:LABA)とICSとの配合薬が発売され,多用される傾向があります。治療選択性が増え歓迎すべき状況ですが,新規発症の患者に対し,ICSのみでよいか,配合薬を積極的に用いるべきか迷うときがあります。また,ドライパウダー型とエアゾール型の選択基準と使いわけについて,医大前南4条内科・田中裕士先生のご教示をお願いします。
【質問者】
大林浩幸:東濃中央クリニック院長

【A】

喘息の新規発症の患者に対して,私は厳密には選択基準は設けていませんが,(1)喘鳴がなく症状が軽度な症例ではICS単独,(2)喘鳴があり症状が中等度以上の症例ではICS/LABA配合薬を使用します。
当院の新規発症喘息患者には,原則としてスパイロメトリーおよび気道可逆性試験(吸入β2刺激薬投与前後の1秒量および強制オシレーションの変化の評価)を行っています。スパイロメトリーで1秒量が低値かつ可逆性試験での改善率が高い症例ほど,患者の症状を速やかに取ることを目的にICS/LABA配合薬を使用しています。また,可逆性試験直後に吸入β2 刺激薬の副作用である動悸,振戦,こむら返りが出現するような症例ではICS単独投与,またはICS+吸入長時間作用型抗コリン薬の投与を考慮しています。
新規発症喘息症例では,これらの吸入薬治療に良好に反応する場合が多く,特に,軽症・咳喘息症例に対して,症状を速やかに取る目的でICS/LABA配合薬を第一に選択して1~2週間投与し,その後は速やかにICS単独に変更しています。
わが国での吸入喘息薬の少し前の使用状況は,ドライパウダー式吸入器(dry powder inhaler:DPI)が約9割,加圧定量噴霧式吸入器(pressurized metered dose inhaler:pMDI)が約1割です。吸入薬先進国である欧米ではpMDIの使用率が4~5割を占めているのと比較すると,わが国ではDPIに偏っています。新規発症の場合,吸入する力が強い症例や若年成人にはDPI,弱い症例や高齢者にはpMDIを原則として使用し,呼吸機能から判断して末梢気道病変が強い場合にもpMDIを選択しています。pMDI使用の場合,吸入ボンベを押す指の力が不足している場合には,各社から提供されている吸入補助具を装着しています。
当院では吸入薬決定後,院内で実際に吸入してもらい,吸入薬をうまく使えるか否かを必ずチェックし,不可能と判断した場合には吸入薬の種類を変更します。表1にまとめたICS/LABA配合薬の私的な見解を参考にして頂ければと思います。

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