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看護師夜勤ルールの見直しは吉と出るか [お茶の水だより]

No.4790 (2016年02月13日発行) P.9

登録日: 2016-02-13

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▼2016年度診療報酬改定が答申された。認知症患者、小児に対する主治医機能の評価や地域包括ケア病棟での手術や麻酔の出来高化など、医療機能に応じた適切な評価という視点が強調された改定となった印象だ。7対1の平均在院日数短縮を最後まで求めていた中医協支払側委員の幸野庄司氏(健保連)も「全体としてはいい内容にまとまった」と総括した。
▼今回の改定で評価が難しいのは、看護職員の月平均夜勤が72時間を超えると入院基本料が減算される、いわゆる「72時間ルール」の見直しではないか。7対1、10対1ではほぼ変更はないが、13対1以下の看護配置では、月平均夜勤「8時間以上」の職員を計算式に含むこととなった。つまり月1回夜勤を行えば平均夜勤時間にカウントできる。医療機関にとっては、子育てや介護などに時間を取られ短時間しか夜勤ができない看護職員を雇用しやすくなり、厚労省は看護師の人材確保につながると期待している。
▼一方、夜勤が少ない職員を平均にカウントすることで、職員数を減らしても基準を満たす医療機関が出てくるとの指摘もある。残った職員への夜勤負担が大きくなる恐れがあり、離職率の上昇が懸念される。こうした懸念から中医協専門委員の菊池令子氏(日本看護協会)は13対1以下の基準として「12時間以上」を要望したが、却下された形となった。
▼約3万人の看護職員を対象に日本医療労働組合連合会が実施した調査では、約8割が「仕事を辞めたいと思う」と答えている。主な理由は「人手不足で仕事がきつい」「賃金が安い」「思うように休みがとれない」「夜勤がつらい」など。病院の経営状況が厳しい中で行われる今回の見直しは看護職員の労働環境にどう影響するのか。厚労省の宮嵜雅則医療課長が指摘したように「しっかりとした検証」が必要だ。


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