肺の良性腫瘍のうち最も頻度が高いのは過誤腫であるが,過誤腫でも有病率は0.25%と低く,切除された肺腫瘍の約1%以下と頻度は低い。
肺の良性腫瘍は径が3cm以下の孤立性結節で肺野にみられることが多く,約5%は気管支内に発生する。確定診断は組織学的診断であるが,病変も小さく気管支鏡下の生検組織での診断が困難な場合も多く,辺縁明瞭な孤立性結節である頻度も高いため,胸部CT所見から経過観察となることが多い。
肺の良性腫瘍には過誤腫,硬化性血管腫,炎症性偽腫瘍,乳頭腫,限局性線維性腫瘍などがある。胸部CTで孤立性結節を認めた場合は,以下のような内部構造などに着目し画像診断を行い,まずは慎重な経過観察となることが多い。
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