昨年秋頃より鼻水と咳嗽があり,近医で喘息,後鼻漏性咳嗽と診断され,去痰薬,モンテルカスト,鎮咳薬にてコントロールしました。年末にインフルエンザ,年始にCOVID-19罹患以降,咳嗽が悪化し,咳喘息として,吸入ステロイド(ICS)+長時間作用性β2刺激薬(LABA)+長時間作用性抗コリン薬(LAMA)のトリプル吸入療法と,去痰薬で治療しましたが,夜間就寝後の咳嗽がひどく眠れないため,救急受診をしました。
胸部CTでは,気腫は目立ちませんが,両肺下葉気管支内の粘液が目立ち,左優位の下葉容積減少がありました(図1)。また,肺音は濁った音のウィーズ(ポリフォニック・ウィーズ)が吸気,呼気ともに聴こえました(図2)。
総合的に喘息要素の強いCOPDと考えられました。また,喘鳴が著明で,SpO2は90%程度であったことから,緊急入院となりました。
【生活歴】
喫煙歴は18歳~現在まで15本/日。ペットはいない。
【アレルギー歴】
花粉症。
【検査所見】
WBC 5.1×103/μL,CRP 0.03mg/dL,好酸球11.8%,FeNO 80ppb,1秒量(FEV1)2.20,1秒率(FEV1%)59%,肺機能はフローボリューム曲線の下行脚が下に凸。