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今後の肺炎球菌ワクチンの接種戦略は?

No.5209 (2024年02月24日発行) P.56

土戸康弘 (京都大学医学部附属病院検査部・感染制御部)

藤倉裕之 (兵庫県立尼崎総合医療センター感染症内科医長)

登録日: 2024-02-26

最終更新日: 2024-02-20

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  • 高齢者,免疫不全患者では様々な感染症のリスクがありますが,その中にはワクチンによる予防可能な感染症も存在します。代表的なワクチンとして,肺炎球菌ワクチンが挙げられます。近年,新しい種類の肺炎球菌ワクチンが登場し,複数のワクチンが臨床現場で使用可能となっている現状をふまえて,高齢者,免疫不全患者における適切な肺炎球菌ワクチンの接種戦略についてご教示下さい。
    兵庫県立尼崎総合医療センター・藤倉裕之先生にご解説をお願いします。

    【質問者】土戸康弘 京都大学医学部附属病院検査部・感染制御部


    【回答】

    【小児定期接種後の血清型置換で,より多価のワクチンの導入が期待される】

    肺炎球菌には,菌体の外側に病原性の上で最も重要な多糖体でできた莢膜があります。その抗原性の違いにより分類された血清型は,現在100以上あり,重症度や頻度,抗菌薬感受性に違いがあることが知られています。

    肺炎球菌ワクチンは,これらのうち頻度などから選んだいくつかの血清型をカバーしており,長期的な免疫原性が持続する肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)と,免疫原性が低く免疫記憶が成立しない肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(PPSV)の2種類があります。

    小児では,2013年4月からPCV7の定期接種が開始となり,同年11月にはPCV7からPCV13に切り替えられました。65歳の高齢者と,60歳以上65歳未満で日常生活が極度に制限される程度の基礎疾患のある人に対して,14年10月からPP SV23の定期接種が始まりました。ただし,65歳以上の人への接種機会のため,65歳,70歳,75歳,80歳,85歳,90歳,95歳,100歳の人に経過措置を継続していましたが,本来の接種対象年齢を超えた人における接種状況が,65歳における接種率と同等程度となったため,24年3月31日で終了することが決まっています。

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