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横倉日医会長、「基金」の事業計画作成では「医師会がまとめ役に」 [新たな財政支援制度]

No.4698 (2014年05月10日発行) P.8

登録日: 2014-05-10

最終更新日: 2016-11-16

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【概要】地域に応じた医療提供体制構築に向け都道府県に創設される「基金」について、横倉義武日本医師会会長は地域医師会が交付対象事業の計画作成に積極参加するよう呼びかけた。


4月25日に開かれた都道府県医師会担当理事連絡協議会には、日医執行部と厚生労働省の担当官が出席し、総額904億円規模の「基金」の制度設計や、交付対象事業の計画作成に当たっての注意点について説明を行った。
「基金」の交付が決定するまでのスケジュールは別掲の通り。厚労省が都道府県に2度の個別ヒアリングを実施した上で、基金の根拠法の成立を待って夏頃に交付要綱を発出。都道府県はそれを踏まえて9月をメドに事業計画を厚労省に提出し、早ければ11月に交付が決定する見込みだ。
協議会の冒頭、挨拶に立った横倉義武会長は、基金の配分方法が「官民公平」とされたことを踏まえ、「基金は地域包括ケアシステムの主体を担う医師会に重点配分されるべき。そのためには、都道府県医師会が郡市区医師会の意見を集約し、事業計画の作成段階で地域のまとめ役になる必要がある」と述べ、自治体との協議に積極的に当たるよう求めた。
中川俊男副会長も、4月の第1回ヒアリングに参加した医師会が少数にとどまったことから、「(5~6月に実施される)第2回では、医師会担当者はぜひ都道府県庁職員とともに出席してほしい」と呼びかけた。

●介護事業は15年度から対象
厚労省医政局指導課在宅医療推進室の佐々木昌弘室長は、基金の特徴について「単年度だけではなく複数年度にまたがって事業計画を立てられることがポイント」と強調。その上で、基金の交付対象となる事業が年度で異なることについて注意喚起し、2014年度は904億円すべてが医療分野の事業に交付されるが、15年度以降は介護分野にも対象が拡大されることを説明した。

●事業の新規性が交付のカギ
協議会では、都道府県医師会担当理事から「既存事業に対して基金からの補助はあるのか」との質問が出た。これに対し佐々木氏は「従来とまったく同じでは認められないが、地域の医療・介護への必要性と目新しさがあれば認められる」として、交付に当たっては事業の新規性が重要になるとの認識を示した。
また、「官民公平」とされた配分方法の基準については、「地域によって医療提供主体に占める官民の割合が異なるため、公平の基準を一概には言えない」としたが、「(公的医療機関に重点配分がなされた)地域医療再生基金の時とは完全に発想を換え、公が主体の事業に医師会や民間医療機関が共同参入するなど、柔軟な検討をしてほしい」と述べた。

【記者の眼】厚労省が各都道府県に対し個別ヒアリングは都道府県庁の職員を対象にしたものだが、事業計画の策定に当たっては地域の関係団体との協議が必要不可欠となる。地域医師会など医療・介護の提供主体が事業開始前から行政と密な連携を図る意義は大きい。(F)

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