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間質性肺炎の増悪を肺音で把握する[聴いて覚える肺聴診ギャラリー(8)]

No.5172 (2023年06月10日発行) P.10

長坂行雄 (洛和会音羽病院/洛和会京都呼吸器センター参与)

登録日: 2023-06-13

最終更新日: 2023-06-12

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症例 動悸と息切れが悪化した間質性肺炎の84歳男性

10年前から間質性肺炎として近医で経過観察。3カ月前から動悸と息切れがひどくなり,さらに倦怠感も加わった。ちょっとでも動くと息切れがし,咳も増えた。乾性咳嗽で喘鳴はない。昨晩,体温が37.3℃あったので近医を受診し,抗菌薬を処方されたが一時的な改善しか得られず,救急受診した。初診時,両側肺底部より吸気時クラックル(図1a)。心音は清。SpO2 94% (室内気),脈拍数70回/分。初診時の胸部X線は図2a,胸部CTは図3。血液検査所見は,白血球10.5×10/μL,好中球87%,LDH256 U/L,CRP1.23 mg/dL,KL-6 1400U/mL。ステロイドパルス,エンドキサンパルスなどの治療を行ったが病状は悪化。胸部X線では,両側下肺野の外側にすりガラス陰影の増強を認めた(図2b)。初診から2週間後の肺音は図1bとなった。

→図1aの肺音はこちらから聴くことができます 

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