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2021年末に保険適用となった難治性天疱瘡に対する新しい治療法は?

No.5159 (2023年03月11日発行) P.50

佐藤友隆 (帝京大学ちば総合医療センター皮膚科教授)

山上 淳 (東京女子医科大学皮膚科准教授)

登録日: 2023-03-09

最終更新日: 2023-03-07

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  • 2021年12月,難治性の天疱瘡に対するリツキシマブ(rituximab:RTX,ヒトCD20に対するモノクローナル抗体製剤)の適応拡大が承認されました。これまで天疱瘡の治療はステロイド内服を中心に組み立てられてきましたが,現状の治療戦略が大きく変化することも予想されます。
    天疱瘡患者の診療に関わる医療従事者にとって,新しい治療法に対応していくことは重要と考えられますので,東京女子医科大学・山上 淳先生にご解説をお願いします。

    【質問者】佐藤友隆 帝京大学ちば総合医療センター皮膚科教授


    【回答】

    【抗CD20抗体療法により治療抵抗例での寛解率の上昇が期待される】

    2022年10月現在,診療ガイドラインが推奨する中等症以上の天疱瘡に対する治療の第一選択はステロイド内服です1)。ガイドラインに基づいた初期治療の成績を検討した報告では,90%を超える症例が治療開始2年以内に寛解を達成する一方で,80%近い症例で治療経過中にステロイドおよび免疫抑制薬の長期投与に関連した副作用(感染症など)がみられました2)。また,診療ガイドラインの有用性が示された一方で,経過中の有害事象の頻度を下げるための工夫,難治例や再燃例のリスク因子の抽出など,今後の課題が浮き彫りになり,天疱瘡の新しい治療に対する期待が高まっていました。

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