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【識者の眼】「かかりつけ医とオンライン診療」土屋淳郎

No.5138 (2022年10月15日発行) P.68

土屋淳郎 (医療法人社団創成会土屋医院院長、全国医療介護連携ネットワーク研究会会長)

登録日: 2022-10-04

最終更新日: 2022-10-04

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以前、「第3の医療と言われる在宅医療から、医師も患者もそれぞれの場所にいながら医療を行う第4の医療の時代が来つつある」(No.5065)と書いたが、第4の医療の中心になるオンライン診療は、パソコンや通信網の進歩に加えコロナ禍という感染対策としても整備されて利用が広まり、「コロナレガシー」として今後の社会で活用されると感じている。

通院医療→入院医療→在宅医療と診療形態の変化に伴い注目されたオンライン診療だが、ペイシェントジャーニーという患者目線の時間軸の中で考えると、通院医療のフェーズにおける患者の利便性や感染対策のメリットとして以外にも、在宅医療の一歩手前のフェーズ、つまり通院困難になった患者への有用性が高いのではないかと考えている。実際に外来診療をしていると、その日の天候や体調が影響して通院困難となる高齢者が多く、家族が代わりに薬を取りに来たり電話再診で処方箋を発行したりしているが、こういったケースにオンライン診療を行う必要性を感じている。

対象は高齢者であるためICTの利用が難しい場合も多いと思うが、スマートフォンのテレビ電話機能程度なら利用可能な人も増えているし、同居家族が支援をすることも可能と思われる。またD to P with Nとして看護師が訪問した際にオンライン診療を行うケースは既に筆者も経験しているが、今後はヘルパーやケアマネなどの介護職が訪問時にオンライン診療を行う D to P with C(Care worker)も行われてくるだろうし、自宅だけではなくデイサービス利用時や自宅近所の集会所などでオンライン診療を行うケースも検討されてくるだろう。

かかりつけ医としては患者の生活環境や家族関係を知ることは重要で、これらを把握する最もよい方法は在宅医療と考えているが、オンライン診療はこれのきっかけにも補填にもなりうるし、家族だけでなく患者を支援する医療や介護スタッフとのつながりも良好にすることができるツールなのではないだろうか。

さて、来たる10月15日に全国医療介護連携ネットワーク研究会の第16回全国大会が開催され、「国内外の地域医療DXの実際と地域包括ケアの今後」のテーマのもと、厚生労働省や日本医師会などさまざまな講師をお呼びしている1)。厚労省からは「かかりつけ医の役割とオンライン診療の今後」とのタイトルで講演をいただく予定であり、筆者としては上記内容をふまえた上で「かかりつけ医とオンライン診療」について厚労省の考えを聞いてみたい。

読者の方々にもぜひご聴講いただき、医療DXの実際と今後についての知見を深めていただけると幸いである。

【文献】

1)全国医療介護連携ネットワーク研究会:第16回全国大会「国内外の地域医療DXの実際と地域包括ケアの今後」開催のお知らせ.

   https://ikairen.net/第16回全国大会 

土屋淳郎(医療法人社団創成会土屋医院院長、全国医療介護連携ネットワーク研究会会長)[第4の医療]

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