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バレット食道腺癌に対する内視鏡治療のわが国と欧米での違いは?

No.5130 (2022年08月20日発行) P.53

福田 久 (自治医科大学内科学講座消化器内科学部門)

岩谷勇吾 (信州大学医学部医学科先端治療内視鏡学講座准教授)

登録日: 2022-08-18

最終更新日: 2022-08-16

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  • バレット食道腺癌に対する内視鏡治療のわが国と欧米での違いについてご教示下さい。信州大学・岩谷勇吾先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    福田 久 自治医科大学内科学講座消化器内科学部門


    【回答】

     【わが国と欧米ではそもそもバレット食道腺癌に対する内視鏡治療のゴールが異なる】

    わが国と欧米におけるバレット食道腺癌に対する内視鏡治療の最大の相違点は,その目標とするゴールが異なることです。わが国ではバレット食道にがんが発生した場合,そのがんを内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection:ESD)により一括切除し,残存するバレット食道に対しては慎重な経過観察を行います。一方欧米では,まずがんを内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection:EMR)やESDで切除した後,残存するバレット食道に対してラジオ波焼灼術(radiofrequency ablation:RFA)やcryotherapyに代表される焼灼療法(ablative therapy)を行います。同時にプロトンポンプ阻害薬を用いて強力な酸逆流抑制を行うことでバレット粘膜すべてを扁平上皮に置換させ,バレット食道を根絶(eradication)させることが最終目標となっています。この一連の流れをendoscopic eradication therapy(EET)と呼んでいます。

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