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JAK阻害薬による関節症性乾癬の治療について

No.5117 (2022年05月21日発行) P.56

伊藤友章 (東京医科大学皮膚科学分野准教授)

伊藤寿啓 (東京慈恵会医科大学附属第三病院皮膚科 准教授)

登録日: 2022-05-23

最終更新日: 2022-05-17

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  • ヤヌスキナーゼ(Janus kinase:JAK)阻害薬による関節症性乾癬の治療についてご教示下さい。東京慈恵会医科大学附属第三病院・伊藤寿啓先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    伊藤友章 東京医科大学皮膚科学分野准教授


    【回答】

    【関節症性乾癬への内服薬による治療選択肢が増えた】

    近年皮膚科領域の疾患に対して3種類のJAK阻害薬が発売されていますが,2022年3月現在,関節症性乾癬(psoriatic arthritis:PsA)に対して適応を有する薬剤は,JAK1に非常に選択性が高いウパダシチニブのみです。なお,PsA以外の乾癬に対する適応はありません。

    PsAの関節症状は,症例により部位・重症度や経過は多様であり,軽快と増悪を繰り返しますが,中には急速に進行する例もみられ,関節症状の評価,早期診断・治療介入が必要と考えます。

    関節症状への治療目標は疾患活動性の低下,QOLの向上ですが,不可逆的な関節破壊そして変形への予防や進行させないように治療することが大切です。薬剤の抗炎症効果による疾患活動性の低下やQOL向上はみられるものの,関節破壊抑制効果が十分ではない,あるいははっきりとしていない薬剤もあります。生物学的製剤(TNF阻害薬,IL-23阻害薬,IL-17阻害薬)は皮疹のみならず関節症状への効果が高いことが知られていますが,中でもTNF阻害薬のエビデンスが最も高いです1)

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