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血管肉腫[私の治療]

No.5096 (2021年12月25日発行) P.48

柳 輝希 (北海道大学大学院医学研究院皮膚科学教室講師)

登録日: 2021-12-25

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  • 血管肉腫(脈管肉腫)は,血管あるいはリンパ管内皮細胞の増殖による悪性腫瘍で,高齢者の頭部・顔面に好発する。稀な軟部腫瘍であり,肉腫の約2~3%と報告されている。日本人における血管肉腫発症頻度は100万人当たり2.5人程度と推測される。発症年齢は平均74歳との報告がある。皮膚血管肉腫は主たる原因から,①頭部・顔面に発症する血管肉腫,②慢性リンパ浮腫に続発する血管肉腫(Stewart-Treves症候群),③放射線照射後血管肉腫,に分類される。血行性に肺に転移しやすく,予後不良である。

    ▶診断のポイント

    高齢者の頭部・顔面に生じた境界不明瞭な皮下出血,紫斑,出血性隆起性局面・結節を見た場合には,本疾患を疑い皮膚生検を行う。皮膚生検では異型血管内皮細胞の増殖と,管腔構造の形成,赤血球の血管外漏出を認める。免疫染色にて腫瘍細胞は,血管内皮細胞のマーカーCD31,リンパ管内皮細胞のマーカーD2-40などが陽性になることがある。確定診断がついたら,他臓器への転移の有無を確認する(PET-CT検査などを実施する)。頭部原発巣の深達度評価には頭部MRI・CTを実施する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    遠隔転移のない皮膚血管肉腫に対する標準療法は確立していない1)。わが国における皮膚血管肉腫は高齢者に好発し,腫瘍が大きく,また多発性病変(非連続性病変)であることが多いため,手術における完全切除が困難となる場合も多い。筆者らの施設では,放射線治療と化学療法を組み合わせた治療を第一選択として実施している。

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