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災害時の糖尿病患者対策について,現状および今後の展望と期待は?

No.5092 (2021年11月27日発行) P.50

中島直樹 (九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター センター長/教授)

荒木栄一 (熊本大学大学院 生命科学研究部 代謝内科学講座 教授)

登録日: 2021-11-24

最終更新日: 2021-11-22

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  • 近年,水害,地震などの大災害が頻発しています。糖尿病コントロールは,ストレスや食事などに大きく影響し,重症合併症リスクも増すと思いますが,行政や学会の対策はどのようになっていますでしょうか?
    熊本大学・荒木栄一先生にご回答をお願いいたします。

    【質問者】

    中島直樹 九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター センター長/教授


    【回答】

     【糖尿病学会や協会が各県・支部単位で災害時に糖尿病患者をサポートする組織を構築し始めている】

    ご質問のように,糖尿病患者は災害弱者であり,その対応が求められています。これまでの大規模災害において,糖尿病を含む慢性疾患に対して,特別な対策が施されてきたわけではありません。しかし,被災した糖尿病患者の調査によると,災害急性期ではケトアシドーシスや低血糖などの緊急治療を要する症例の増加や,インスリン製剤や血糖自己測定機器の供給がなくなるなどの問題が発生していました。また,慢性期や復興期においては,被災による環境の変化などが要因と考えられる血糖コントロールの悪化が報告されています。したがって,今後の災害時には急性期の専門的な医療支援とともに,長期的な視点に立った災害関連の糖尿病の悪化,合併症の進行に対する対策が必要であると考えられます。

    日本糖尿病学会と日本糖尿病協会は協力して,各県および支部単位で糖尿病専門医や糖尿病療養指導士(certified diabetes educator:CDE)などの医療スタッフあるいは行政の担当者を加えた多職種から成るチームDiabetes Medical Assistance Team(DiaMAT)を構成して災害時に糖尿病患者の専門的支援を行うための体制づくりを始めています。

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