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■NEWS 次期薬価制度改革に向けた本格議論を開始―薬価専門部会

登録日: 2021-10-26

最終更新日: 2021-10-26

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中央社会保険医療協議会薬価専門部会は1020日、次期薬価制度改革に向けた本格的な議論に入った。厚生労働省はこの中で、原価計算方式で薬価算定された海外からの輸入製品で、製品総原価の開示度が低い品目の扱いなどを論点として提示。これに対して、支払・診療側の委員は揃って薬価の引き下げ幅が大きくなるようなルールの厳格化を求めた。

この日の部会は、①原価計算方式のあり方、②新薬創出・適応外薬解消等促進加算(新薬創出等加算)のルール見直し、③市場拡大再算定の類似薬の考え方―などについて議論した。

①の原価計算方式では、製品総原価の開示度に応じた加算係数が設定されており、補正加算がつく品目では、加算率にこの加算係数を掛け合わせることで、開示度が低い場合は加算率が下がる(=薬価が下がる)仕組みが導入されている。だが、2018年度以降に原価計算方式で薬価算定された新薬47成分のうち、開示度50%未満だった成分は約半数の24成分にも及ぶ。その大半が海外からの輸入製品で、こうした品目の薬価算定では移転価格(輸入価格)のみが示され、内訳は不明のまま。このため、厚労省は、移転価格の開示のあり方や、移転価格であることを考慮した薬価算定方法の検討を論点として提示した。

■新薬創出等加算の企業要件の妥当性検証が課題に

②の新薬創出等加算は特許期間中の新薬について、薬価改定時の薬価引き下げ相当額を加算することで、新規収載時の薬価を維持する仕組み。品目要件に基づいて対象品目を選定し、薬価改定時の加算額は企業要件の指標(革新的新薬の創出やドラッグ・ラグ対策など)の獲得ポイントで決まる。獲得ポイントが上位25パーセンタイルに該当する区分Ⅰの企業は満額が加算されるが、最低点数の区分Ⅲでは20%減額される。ただ、現在は区分Ⅰ、Ⅲに該当しない場合は、自動的に区分Ⅱが適用されるルールであるため、ほとんどの企業が区分Ⅱとなっている。こうした現状から、厚労省は企業要件の妥当性の検討を部会に求めた。

品目要件では、新規収載時であれば有用性加算などに相当する効能追加があった品目を、新たに新薬創出等加算の対象とすることを検討課題に据えた。

③の市場拡大再算定では、対象品目と薬理作用が類似し、適応が重複する市場競合品も、連座的に再算定が適用されるルールの一部見直しを提言した。市場拡大再算定の特例が適用されてから間を置かずに、類似薬として再算定が適用されるケースがあり、こうした過去に特例が適用され、すでに薬価が引き下げられている品目が、類似薬となった場合の対応を論点に位置付けた。

■原価開示度が低い輸入品、支払・診療側ともルール厳格化を主張

議論で、診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、原価計算方式で薬価算定された輸入製品で製品総原価の開示度が低い品目の対応について、「加算対象とならない場合であっても(開示度の低さを)薬価に反映できるように移転価格自体に係数を乗じる方法も検討に値するのではないか」と提案。支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)はこの意見に賛同するとともに、加算がつく場合の加算係数引き下げも求めた。

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