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牛肉アレルギーと交差反応について

No.5071 (2021年07月03日発行) P.44

釣木澤尚実 (平塚市民病院アレルギー内科・呼吸器内科 部長)

千貫祐子 (島根大学医学部皮膚科准教授)

登録日: 2021-07-01

最終更新日: 2021-06-29

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  • 牛肉アレルギーの診断と管理について最近の知見も含めてご教示下さい。
    島根大学・千貫祐子先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    釣木澤尚実 平塚市民病院アレルギー内科・呼吸器内科 部長


    【回答】

    【牛肉アレルギーはマダニ咬傷が原因であり,治癒しうる】

    (1)牛肉アレルギーの原因

    牛肉アレルギーの主要な原因抗原エピトープは,糖鎖galactose-α-1, 3-galactose(α-Gal)です。牛肉アレルギーの特徴として,血液型A型とO型が発症しやすいこと,アレルギー症状の多くが牛肉摂取後3時間以上経過してから現れることが挙げられます。

    牛肉以外でもα-Galを有する哺乳類肉(豚肉,猪肉,鯨肉など)でアレルギーを生じうるのはもちろんですが,交差反応のために抗悪性腫瘍薬のセツキシマブやカレイ魚卵でもアレルギーを生じえます。セツキシマブはIgG1サブクラスのヒト/マウスキメラ型モノクローナル抗体製剤で,マウス由来のFab領域にα-Gal糖鎖が存在するために交差反応が生じます。一方,カレイ魚卵にはα-Gal糖鎖自体は存在しないため,別の糖鎖構造に起因する交差反応によってアレルギーを生じます。

    筆者らがマダニ唾液腺中にα-Gal糖鎖の存在を証明し,牛肉アレルギー患者の血清中IgEがマダニ唾液腺のα-Gal含有蛋白質に結合することを証明したことから,これらの一連のアレルギー(α-Gal syndrome)の感作原因が,マダニ咬傷であろうことが判明しました。牛肉アレルギー患者はイヌを飼育していることが多いのですが,イヌの散歩の際に草むらでマダニに咬まれている可能性があります。

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