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【識者の眼】「第二ラウンドに向けて新型コロナワクチンの内製化の準備を」志賀 隆

No.5067 (2021年06月05日発行) P.57

志賀 隆 (国際医療福祉大学救急医学主任教授、成田病院救急科部長)

登録日: 2021-05-25

最終更新日: 2021-05-31

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関西、関東も少しずつ新型コロナウイルスの新規患者数が減少しつつある。ただ、沖縄、北海道など以前と厳しい地域もある。今後オリンピックも予定されており、医療関係者としては延期も是非ご検討いただきたいところだが、契約違反に対する資金的な補償などもあり、実際には開催となる可能性も大いにある。第五波は間違いなく来るだろう。

ただ、英国やイスラエルなど人口の過半数が一回目のワクチン接種を終えた国の感染状況をみると希望がある。

ここで大事にしたいのはワクチンの内製化である。モデルナ社が日本での製造を検討していることが、報道された。モデルナ社のワクチンは武田薬品工業社が日本での流通や治験を担当している。現実性のある計画であり、大いに期待したい。なぜワクチンの内製化が重要かというと、読者の皆さんがご存知のように、時々刻々と変異するこのウイルスに対して迅速に新しいワクチンが作れるからである。

米国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長も今後、2ラウンド目のワクチンが必要となる可能性に触れている。我が国としてもワクチン接種の第一ラウンドで、しっかりと学んだ教訓を生かして、迅速なワクチン生産と接種体制を第二ラウンドに向けて準備したいところである。

志賀 隆(国際医療福祉大学救急医学主任教授、成田病院救急科部長)[新型コロナウイルス感染症]

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