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慢性疾患ケアモデル〈総論〉─多面的な介入を考えるためのフレームワーク[プライマリ・ケアの理論と実践(96)]

No.5058 (2021年04月03日発行) P.12

近藤 猛 (名古屋大学医学部附属病院卒後臨床研修・キャリア形成支援センター/総合診療科)

登録日: 2021-04-01

最終更新日: 2021-03-31

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SUMMARY
慢性疾患を抱える患者のケアは一面的な介入だけでは不十分である。多面的な介入のための考察や計画のために有用なのが,6つのコンポーネントからなる慢性疾患ケアモデルである。

KEYWORD
建設的な相互作用
医療者側・患者側双方のシステムを整えていくことで良い相互作用を起こし,アウトカムの改善を目指す。

近藤 猛(名古屋大学医学部附属病院卒後臨床研修・キャリア形成支援センター/総合診療科)

PROFILE
平成18(2006)年に名古屋市立大学を卒業。愛知厚生連海南病院で初期研修し洛和会音羽病院で後期研修。その後名古屋大学医学部附属病院総合診療科に移り,現在は大学病院での診療・訪問診療・医学教育に携わっている。

POLICY・座右の銘
急がば回れ

1 背景

慢性疾患はいまや死亡や障害の原因の大部分を占めるようになってきている1)。心不全,糖尿病,喘息といった慢性疾患の治療に関する技術は進歩したものの,多くの慢性疾患患者は十分なケアを受けられていない1)。ランダム化比較試験やメタアナリシス,観察研究によれば,このような慢性疾患のQOLやケアのプロセス・予後を改善していくためには,患者教育だけといった一面的な介入ではなく,医療情報システムの活用やコミュニティ資源の活用といった多面的な介入がより有効であるとされている1)

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