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骨盤臓器脱に対するペッサリーリング治療の継続率と継続性予測因子

No.5051 (2021年02月13日発行) P.46

寺内公一 (東京医科歯科大学茨城県地域産婦人科教授)

登録日: 2021-02-12

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 【ペッサリーリングのセルフケアが3年後の治療継続性を予測する】

骨盤臓器脱に対する代表的な保存的治療法としてペッサリーリングが広く使用されているが,治療継続率や治療継続性の予測因子に関する情報は十分ではない。

本研究は,2009~13年にタイの医療機関においてStage Ⅱ以上の有症状骨盤臓器脱に対してペッサリーリングによる保存療法を開始し,少なくとも1年間の経過観察が可能であった289名の女性(平均年齢71歳,平均経産回数3回)を対象に行われた1)。6カ月後,1年後,2年後,3年後,4年後,5年後の治療継続率はそれぞれ94.1%,83.0%,78.2%,71.3%,65.3%,61.7%であった。治療中止の理由として最も多かったのは,手術を選択したことであった。

3年後の治療継続性を予測する因子を探索したところ,年齢・骨盤臓器脱の程度・症状の有無などはいずれも予測因子とはならず,セルフケアが可能であること,すなわち患者自身がペッサリーリングを抜去し,洗浄し,さらに再挿入できることが治療継続性の唯一の予測因子であった。

ペッサリーリングによる骨盤臓器脱の保存的治療を継続するためには,患者に対するセルフケア教育が鍵を握ることが示唆された。

【文献】

1) Manonai J, et al:Menopause. 2018;26(6):665-9.

【解説】

寺内公一 東京医科歯科大学茨城県地域産婦人科教授

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