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若年性特発性関節炎(JIA)[私の治療]

No.5047 (2021年01月16日発行) P.42

森 雅亮 (東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科生涯免疫難病学講座教授)

登録日: 2021-01-17

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  • 若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis:JIA)は,滑膜炎による関節の炎症が長期間繰り返す結果,関節軟骨および骨破壊が進行し関節拘縮や障害を引き起こす,いまだ原因不明の慢性の炎症性疾患であり,小児期リウマチ性疾患の中で最も頻度が高い。「16歳未満で発症し,6週間以上持続する原因不明の関節炎で,他の病因によるものを除外したもの」と定義されている1)。表 1)2)のように7つに細分類され,各病型により病態が大きく異なることが知られている。

    ▶診断のポイント

    本疾患群を病態の異なる「全身型」(弛張熱,発疹,関節症状などの全身症状を主徴とし,症候のひとつとして慢性関節炎を生じる),「関節型」(関節炎が病態の中心となり,関節滑膜の炎症による関節の腫脹・破壊・変形を引き起こし機能不全に陥る),「症候性」(乾癬や潰瘍性大腸炎などに併発して二次的に慢性関節炎を呈する)の3つに大別すると理解しやすい。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    【全身型】
    〈初期対応〉

    非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で対応が可能な例は確かに存在するが,一部の症例に限られる。NSAIDs不応例には副腎皮質ステロイドであるプレドニゾロン(PSL)1~2mg/kg/日が適用されるが,メチルプレドニゾロンパルス療法を行い,後療法としてPSL 0.5~0.7mg/kg/日を用いると,入院期間の著しい短縮につながる場合が多い。

    〈生物学的製剤の投与〉

    難治例(治療経過でPSLの減量が困難である,マクロファージ活性化症候群への病態転換が考えられる,治療経過が思わしくなく次の段階の治療を要すると判断される等)の場合,速やかに専門医に相談し,抗IL-6レセプター抗体のトシリズマブ(TCZ)の投与を検討すべきである。TCZによる全身型JIAに対する治療は,臨床治験を経て世界に先駆けて日本で認可され,有効性がきわめて高い。しかし,TCZでも無効な例も存在し,抗IL-1製剤であるカナキヌマブが2018年7月から使用できるようになり,わが国でも有効性が実証されてきた。

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