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■NEWS 医師派遣を行う大学病院などをB水準の対象に追加―医師働き方改革推進検討会

No.5034 (2020年10月17日発行) P.68

登録日: 2020-10-09

最終更新日: 2020-10-09

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厚生労働省は930日に開かれた「医師の働き方改革の推進に関する検討会」に、20244月から始まる医師の時間外労働規制で、年間の時間外・休日労働を1860時間までに制限するB水準(地域医療確保暫定特例水準)の対象に、新たに関連病院に医師を派遣する大学病院などを追加する案を提示し、大筋で了承された。ほかのB水準対象医療機関と同様、医療機関からの申請に基づいて都道府県知事が指定するが、常勤勤務先の大学病院などにおける36協定上の時間外・休日労働の上限は、年960時間までとする。

医師の副業・兼業に関する厚労省研究班の調査では、大学病院単体での時間外・休日労働が年960時間以内(A水準)に収まる医師は全体の76.2%を占めるが、兼業先の勤務時間を含めた場合は、全体の23.3%が960時間を超過することが明らかになっている。労働基準法は副業・兼業をする場合の労働時間を通算するよう定めていることから、これまでの検討会の整理では、所属医師の時間外・休日労働を年960時間以内に収めるために、A水準適用の大学病院などにおいて派遣先からの医師引き上げが起こるのではないかと、危惧されていた。

■常勤勤務先の36協定上の上限は960時間、時短計画の策定を義務づけ

今回了承された対応策では、年1860時間までの時間外・休日労働が容認されるB水準の対象類型に、「医師の派遣を通じて、地域の医療提供体制を確保するために必要な役割を担う医療機関」を追加。医局の指示や要請で大学病院から関連病院などに派遣されているケースや、地域医療支援病院から医師の少ない医療機関に派遣されているケースなどを想定しており、常勤勤務先医療機関からの申請を受けた指定プロセスの中で、都道府県知事が該当・非該当を判断する。ただし、常勤勤務先ではA水準が適用される業務に従事しているにもかかわらず、副業・兼業を理由に36協定が緩和されるのは適切ではないとの考えから、この類型だけでB水準の指定を受けた場合の個々の医療機関における36協定上の時間外・休日労働時間の上限は、年960時間までとする。

医師労働時間短縮計画との関係については、B水準の指定申請を行う常勤勤務先に計画策定を義務づけ、▶自院における労働時間短縮に可能な限り取り組む、▶関連病院への派遣など、副業・兼業先における当該医師の勤務態様を一定程度管理可能な場合は、シフト調整などによるトータルでの労働時間の短縮を図る、▶関連病院など以外の場合も、副業・兼業先に対して労働時間短縮の協力を要請する―と整理した。

■国による時短目標値、35年度末に向け一定期間ごとの段階設定に

また、厚労省は同日の検討会に、「医師の労働時間短縮等に関する大臣指針」の案も提示した。時間外・休日労働時間の3つの上限水準のうち、B水準については徐々に短縮化を図り、2035年度末には廃止してA水準に統合する方針が決まっている。

その過程で国が定めることになっている「医師の時間外労働短縮目標ライン(以下、短縮目標ライン)」について、大臣指針案は、「全てのB水準対象医師が到達することを目指すべき時間外労働(休日労働を含む)の上限時間数の目標値」として位置づけることを提案。設定方法については、▶各医療機関が着実に労働時間を短縮することができるように、35年度末の目標である960時間に向けて、一定の期間(例えば3年)ごとの段階的な目標値を設定する、▶上限規制開始の244月時点の時間外労働時間数に応じて複数のパターン(例えば年1860時間、1560時間、1200時間の場合など)を設定する―方針を打ち出した。B水準対象医療機関は、この短縮目標ラインを目安に、医師労働時間短縮計画における時間外・休日労働時間数の目標を設定することになる。

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