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家族志向のケア─家族が患者に与える健康への影響[プライマリ・ケアの理論と実践(76)]

No.5032 (2020年10月03日発行) P.12

藤谷直明 (大分大学医学部附属病院総合内科・総合診療科/宮崎医院副院長)

登録日: 2020-10-01

最終更新日: 2020-09-30

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SUMMARY
家族は健康に影響を与える大きな要因である。診療においては患者の背景にいる家族を意識し,積極的にアプローチすることが有用である。

KEYWORD
家族図
家族構成や関係,全体像を思い出すために作成する図のこと。男性は四角,女性は丸で表し,本人は二重の四角や丸で記載し,亡くなった方は中に×を書く。同居家族は丸で囲む。他にも関係性などを記載するが,図1では省略している。

藤谷直明(大分大学医学部附属病院総合内科・総合診療科/宮崎医院副院長)

PROFILE
岡山家庭医療センターにて家庭医療を学び,現在は大分県由布市のクリニックで副院長をしている。日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医・指導医。

POLICY・座右の銘
七転び八起き



1 このシリーズの概要と目的

診療をしていると,以下のようなケースに遭遇することがないだろうか?

・アドヒアランスが不良で,なかなか治療がうまくいかない慢性疾患の患者
・大したことのない症状で受診して,問題ないと説明してもどこか上の空で,何のために受診したのかはっきりしない患者
・今まで落ち着いていたのに, 不定愁訴が増えた中年女性の患者
・重大な局面で,やっと治療方針が決まっていたのに,遠方から帰ってきて,かき乱す患者家族

これらの問題,実は患者の家族がキーになっているかもしれない。

今回から4回シリーズで,患者の家族にアプローチする『家族志向のケア』について解説する。このシリーズの目的は,アドヒアランスやコミュニケーションの不良,不定愁訴,そして患者家族との関係についての手札を増やし,診療の幅を広げることである。

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