【質問者】
原 丈介 金沢大学附属病院呼吸器内科
【思春期世代におけるアレルギー疾患のリスクを高める】
新型たばこの普及とともに,新型たばこによる健康被害について関心が高まっています。最近の研究によれば,新型たばこにより思春期のアレルギー性疾患のリスクが高まることが報告されています。
韓国の研究グループは,13~18歳の思春期世代を対象に行われた2018年のリスク調査(KYRBS-ⅩⅣ)を用い,6万40人を対象にアレルギー性鼻炎や気管支喘息の既往歴や現在の罹患状況,喫煙状況(喫煙歴なし,過去喫煙,現在喫煙),たばこの種類(紙巻きたばこ,電子たばこ,加熱式たばこ)などについてアンケート調査を行いました1)。その結果,全体に占める現在喫煙者の割合は,紙巻きたばこ6.7%,電子たばこ2.7%,加熱式たばこ2.9%でした。また,紙巻きたばこの現在喫煙者と加熱式たばこの過去喫煙者では,アレルギー性鼻炎や気管支喘息の罹患が有意に多いこと,電子たばこの現在喫煙者では,アレルギー性鼻炎の罹患が有意に多いことが示されました。さらに,喫煙パターンを18種に分類して詳細に検討すると,電子たばこおよび/または加熱式たばこを喫煙したことのある紙巻きたばこ喫煙者は,電子たばこや加熱式たばこを喫煙したことのない紙巻きたばこ喫煙者に比べ,アレルギー性鼻炎や気管支喘息のリスクが高いことが示されました。
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