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■NEWS 医薬品流通の現状を関係団体からヒアリング─中間年薬価調査で薬価専門部会

登録日: 2020-05-29

最終更新日: 2020-05-29

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中央社会保険医療協議会薬価専門部会は527日、2020年度の薬価調査に関する議論に入った。調査は21年度が初年度となる中間年の薬価改定の基礎資料を得ることを目的としているが、通常改定と同様のスケジュールで進めるには6月中旬までに調査実施方法などを固める必要がある。だが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、医療機関・薬局と医薬品卸間の価格交渉はほぼ手つかずの状況にあり、部会は現状把握のために、次回の部会で関係団体からの意見聴取を行うことを決めた。

毎年薬価調査・薬価改定は薬価制度抜本改革のメニューとして、政府の骨太の方針にも記載され、中間年については18年度の薬価制度改革時に、▶全医薬品卸から調査対象を抽出し、全品目の薬価調査を実施する、▶調査結果を踏まえ、価格乖離の大きな品目について薬価改定を行う─の大枠が決まっている。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で例年のような価格交渉や医薬品流通ができていないと考えられることから、厚労省は同日の部会に現状を関係団体にヒアリングすることを提案。今後の論点では、▶通常の改定と同様のスケジュールを踏襲することの妥当性、▶販売サイド(医薬品卸)調査の抽出率をどの程度に設定するか、▶購入サイド(医療機関・薬局)調査の実施方法をどうするか─などを挙げた。

中間年の薬価調査・改定実施は困難─診療側と専門委員

このうち関係団体からの意見聴取は部会として了承されたが、診療側委員や関係団体の代表である専門委員からは、中間年の薬価調査・改定の実施を困難視する意見が相次いだ。

松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、「まず意見聴取を行い、その上で現状を踏まえた議論をすべきだ」とし、通常スケジュールを前提に議論を進めることに強い問題意識を表明。有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)も、「価格交渉ができておらず、薬価調査の調査時期までに単品単価契約などはできない状況にある」と指摘した。村井泰介専門委員(バイタルケーエスケー・ホールディングス代表取締役社長)は、医薬品卸の現状について、メーカーの出荷制限などで多くの医薬品が品薄状態にあるなか、営業活動を自粛して医薬品の安定供給に注力しているなどと説明。「価格交渉の状況が通常とは大きく異なり、薬価調査の実施は極めて難しい」と理解を求めた。

これらの意見に厚労省は、骨太の方針にも明記された薬価調査のスケジュールの決定権は政府にあり、部会では当面、予定通り実施されることを想定して議論を進めるとの説明を繰り返した。9月取引分を対象に薬価調査を実施するには、遅くとも6月中旬には最終判断する必要があるが、20年度の骨太方針決定は7月にずれ込む見通しとなっている。このため診療側からは、骨太方針の決定を待たず、中医協の意見を骨太方針に反映させるように働きかけるべきではないか、との声も上がった。

一方、支払側委員は、次回の関係団体ヒアリングについて、どのような方法論、工夫をすれば現状でも調査の実施が可能なのか、前向きな提案をする場にして欲しいなどと注文をつけた。

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