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早発閉経[私の治療]

No.5012 (2020年05月16日発行) P.43

伊藤文武 (京都府立医科大学産婦人科学教室)

北脇 城 (京都府立医科大学産婦人科学教室教授)

登録日: 2020-05-19

最終更新日: 2020-05-14

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  • 早発閉経とは,40歳未満で卵胞が枯渇し,自然閉経を迎えた状態をいう。早発卵巣不全は,40歳未満で卵巣性無月経となったものであり,早発閉経と卵巣に卵胞が存在するにもかかわらず高ゴナドトロピン血症性無月経を呈するゴナドトロピン抵抗性卵巣の両者を含む。原因・背景によらず,卵胞枯渇による低エストロゲン状態はホットフラッシュ等の更年期症状,骨量低下,性交障害,心血管疾患のリスクの上昇,認知機能低下などの原因となる。
    早発閉経女性は自尊心の低下や抑うつ状態にあることが多く,心理士などによる心理社会的支援が必要な場合がある。

    ▶診断のポイント

    40歳未満の女性に無月経,更年期症状,不妊などの症状を認める場合は早発閉経を疑い,続発性無月経の鑑別診断を進めるとともに,卵胞刺激ホルモン(follicle stimulating hormone:FSH)が高値かつエストラジオールが低値であった場合は1~3カ月後に再度確認する。ただし,卵胞の枯渇を確定診断する方法はなく,早発閉経の診断はあくまでも臨床診断となる。
    早発卵巣不全の原因は,自己免疫疾患,染色体異常,遺伝子異常,医原性(手術,化学療法,放射線療法)など多岐にわたるが,原因不明であることが多い。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    挙児希望がある場合,卵巣予備能を反映すると言われている抗ミュラー管ホルモン(anti-Müllerian hormone)値,無月経の期間などから早発卵巣不全の重症度を推測し不妊治療を行う。カウフマン療法を数周期行うと,ネガティブフィードバックにより高ゴナドトロピンが改善し,ゴナドトロピン感受性が回復することで自然排卵を得られる報告がある。そのため,カウフマン療法を3~6周期行った後に卵胞発育を待機的に観察する。卵胞発育がみられない場合はゴナドトロピン(FSHまたはhMG)療法を追加し,卵胞発育を図る。

    挙児希望がない場合,エストロゲン欠乏に対するホルモン補充療法(hormone replacement therapy:HRT)を行う。HRTを希望しない場合や禁忌例には漢方を用いる。低用量経口避妊薬(oral contraceptive:OC)は,閉経後もしくは50歳以上の使用は禁忌であるため,使用しない。

    重度精神症状や希死念慮を認める場合は,うつ病を疑い精神科への紹介を躊躇しない。

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