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子宮筋腫[私の治療]

No.5009 (2020年04月25日発行) P.51

万代昌紀 (京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学教授)

砂田真澄 (京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学)

登録日: 2020-04-22

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  • 子宮平滑筋細胞に由来する良性腫瘍であり,30歳以上の女性の約30%にみられる。性ステロイドホルモン依存性腫瘍であり,閉経すると縮小する。過多月経,月経困難,腫瘤による圧迫症状や不妊など,症状は多岐にわたる。発生部位により症状は異なり,約半数は無症状である。

    ▶診断のポイント

    婦人科診察では,内診と経腟超音波検査を用いて診断する。巨大な子宮筋腫は下腹部に触知可能であり,経腹超音波検査で骨盤内充実性腫瘤として描出される。診断には超音波検査や骨盤MRI検査,腹部CT検査が有用である。悪性鑑別も含めた質的診断のため,CT検査よりもMRI検査を勧める(後述)。漿膜下筋腫は,卵巣腫瘍や後腹膜腫瘤との鑑別が必要となる。悪性腫瘍である子宮肉腫との鑑別にしばしば難渋する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    治療法は,手術療法と薬物療法に大別される。過多月経や月経困難などの症状を有する筋腫に対して,初め薬物療法が選択されることが多い。過多月経に対して止血薬を処方し,貧血を認める場合は鉄剤を処方する。過多月経の症状改善を目的として,経口エストロゲン・プロゲステロン配合剤(EP剤)やホルモン放出型子宮内避妊具(LNG-IUS)など,内分泌療法が選択される(ただし,EP剤は過多月経に対して保険適用外)。また,手術の回避や術前の子宮筋腫縮小効果を期待して,GnRHアゴニストやGnRHアンタゴニストを選択する。月経困難に対しては,疼痛コントロールのため鎮痛薬や漢方薬を第一に処方する。改善を認めない場合,EP剤やLNG-IUSなど内分泌療法が選択される。

    薬物治療無効例や不妊症例,妊娠時のリスクが高い症例,巨大筋腫等で手術加療を行う。妊娠を希望する場合は子宮筋腫核出術を選択する。子宮筋腫の大きさや数によって,開腹手術か鏡視下手術が選択される。挙児希望がない場合には単純子宮全摘出術を選択することが多く,そのほかにも子宮動脈塞栓術や子宮内膜焼灼術が考慮される。また,悪性の疑いがあるものは単純子宮全摘出術を施行し,病理学的診断を行う。

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