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がんゲノム医療が婦人科実地臨床に本格導入される際の留意点は?

No.5008 (2020年04月18日発行) P.58

佐々木愛子 (国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター)

平沢 晃 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 臨床遺伝子医療学教授)

登録日: 2020-04-17

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  • わが国でもがんゲノム医療が本格的に始動します。
    がんゲノムの発展により得た知識を婦人科日常臨床に導入していくにあたっての課題や今後の展望について,岡山大学・平沢 晃先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    佐々木愛子 国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター


    【回答】

    【保険適用の条件等,多岐にわたる】

    2019年度よりがん遺伝子パネル検査が保険収載され,全国的にがんゲノム医療が導入されてきています。がん遺伝子パネル検査には保険収載されたOncoGuideTM NCCオンコパネルシステムとFoundationOne® CDxがんゲノムプロファイルの2種の検査のほか,保険未収載のものも含め多種あります。

    (1)パネル選択の留意点

    担当医がパネル検査を選択するにあたっては,下記が参考になります。

    ①保険収載されたパネルを使用する場合,保険適用の条件に合致するか?
    ②搭載されている遺伝子の種類,数
    ③腫瘍DNAの由来:検査に腫瘍組織を使用するか? liquid biopsyか?
    ④生殖細胞系列バリアント検出が可能か?:乳癌,卵巣癌,前立腺癌,膵癌,リンチ症候群関連癌などでは比較的高率に検出される
    ⑤融合遺伝子検出:肉腫,肺癌などで高頻度に検出される
    ⑥検査費用:自由診療の検査の場合は検査費用に差がある
    ⑦民間保険や,先進医療特約に加入している患者への情報提供:なお保険適用の条件は,「標準治療がない固形がん患者又は局所進行若しくは転移が認められ標準治療が終了となった固形がん患者(終了が見込まれる者を含む)であって,関連学会の化学療法に関するガイドライン等に基づき,全身状態及び臓器機能等から,本検査施行後に化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した者」となっています

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