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慢性活動性EBウイルス感染症の活動性を抑える新薬の開発状況は?

No.5008 (2020年04月18日発行) P.56

青木定夫 (新潟薬科大学薬学部病態生理学教授)

新井文子 (聖マリアンナ医科大学血液・腫瘍内科教授/東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 血液疾患治療開発学教授)

登録日: 2020-04-15

最終更新日: 2020-04-14

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  • 慢性活動性EBウイルス感染症(chronic active Epstein-Barr virus infection:CAEBV)は,適切な時期に造血幹細胞移植を行わなければ治癒が難しい疾患とされています。移植実施時に疾患のコントロールが不十分であると移植後の予後が不良とされています。疾患の活動性を抑える新薬の開発状況についてご教示下さい。
    聖マリアンナ医科大学・新井文子先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    青木定夫 新潟薬科大学薬学部病態生理学教授


    【回答】

    【JAK1/2阻害薬ルキソリチニブの有効性,安全性を検証する医師主導治験が行われている】

    CAEBVは,発熱,肝障害,血管炎等の持続,反復する全身の炎症とともにEBウイルスに感染したTもしくはNK細胞のクローン性の増殖を認める疾患です。症例はわが国を中心とした東アジアに集中してきましたが,2017年に世界保健機関(World Health Organization:WHO)による造血器腫瘍分類1)に記載されてから欧米での報告も増えており,世界的にも注目されています。

    CAEBVは進行性の疾患であり,経過中血球貪食症候群や治療抵抗性リンパ腫などの致死的合併症をきたします。残念ながら,現在,唯一の根治療法は造血幹細胞移植(以下,移植)です2)。しかし,移植前処置開始時に,疾患活動性(発熱,ALT上昇,血管炎,進行する皮膚病変,ぶどう膜炎を有する状態)を持つ患者は,活動性を持たない患者と比べ移植後の予後が有意に不良であることが明らかになっています3)4)。また,移植はすべての患者に施行できる治療ではありません。病態の解明とそれに立脚した有効な薬物治療の開発が切に望まれてきました。

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