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AI画像解析の現状と展望について

No.5002 (2020年03月07日発行) P.50

万代道子 (理化学研究所生命機能科学研究センター網膜再生医療研究開発プロジェクト副プロジェクトリーダー)

安川 力 (名古屋市立大学大学院医学研究科視覚科学准教授)

登録日: 2020-03-05

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  • 近年,眼科の画像解析における深層学習や人工知能(artificial intelligence:AI)が注目を集めています。光干渉断層法(optical coherence tomography:OCT)を用いた画像診断補助ソフトの開発に早くから携わっておられた名古屋市立大学・安川 力先生に,現在の国内外での現状と展望についてご解説をお願いします。

    【質問者】

    万代道子 理化学研究所生命機能科学研究センター網膜再生医療研究開発プロジェクト副プロジェクトリーダー

    【今後,臨床を支援する形で不可欠なものとなる】

    AIは今,第三次ブームを迎え,車や電化製品に導入され,医療業界でも実用化が始まっています。ブームの背景には,コンピュータの性能向上とインターネットの通信速度の向上により,大量のデータ(ビッグデータ)収集・解析が可能となったことと,ニューラルネットワークを模した機械学習の一種である深層学習(deep learning)の登場が寄与するところが大きいです。

    医療業界においても,内視鏡診断,病理診断,その他の画像診断において開発ラッシュとなっています。眼科においては,AIが眼底写真から糖尿病網膜症を眼科専門医と同等の精度で診断できたとJAMA誌に掲載され1),2018年4月に世界初のAI搭載眼底カメラIDx-DR(IDx Technologies社)が米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)に認可されました。本機器は現状では糖尿病網膜症の病期分類に限定され,米国ではホームドクターや眼鏡店で需要がありそうです。一方,わが国では,眼科医がいない僻地医療で使用意義があるかもしれませんが,内科医が使用しても保険診療として算定できない現状や,AIの誤診の責任の所在など,解決すべき課題が多いようです。今後,糖尿病網膜症だけでなく,正常と異常の区別ができれば健診に導入する意義が出てきますし,主要な眼底疾患を診断できるレベルになれば,一般眼科医にとっても有用となるでしょう。

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