株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

【識者の眼】「医師と薬剤師が連携・共有する実務的な論点を考察」安部好弘

No.5000 (2020年02月22日発行) P.26

安部好弘 (日本薬剤師会副会長)

登録日: 2020-02-24

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

本誌に1年を通じて寄稿する機会をいただきました。初回ですので、簡単な自己紹介をさせていただきます。薬剤師になって38年、庚子の年に還暦を迎えます。東京板橋のケイロン薬局をホームに開局薬剤師をしておりますが、この数年は日本薬剤師会と行ったり来たりを繰り返す日々を過ごしています。令和2年元旦、薬局で休日当番をしながら、薬剤師としてどのような話題をお伝えするか、頭を悩ませながら本稿の書初めをしております。

さて、昨年11月に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等」(薬機法等)の一部を改正する法律が成立しました。わが国に薬剤師と薬局制度が導入されて130年間。その歴史の中でも薬局・薬剤師が今後の地域や医療において果たすべき機能や役割をどのように変革していくかが明示されていると感じています。例えば、薬剤師については「調剤時に限らず必要に応じて患者の薬剤の使用状況の把握や服薬指導を行わなければならないこと」「患者の使用薬剤の服用状況に関する情報を医師等に提供すること」等が盛り込まれています。また、薬局については「調剤のみならずOTC医薬品を含むすべての医薬品を安定的に提供する施設」「薬剤師が医薬品の適正使用に必要な情報提供及び薬学的知見に基づく指導を行う場所」であることが規定され、患者自身が自分に適した薬局を選択できるよう、その機能に応じた認定制度(地域連携薬局・専門医療機関連携薬局)が導入されます。

薬剤師にとって薬機法改正は一大イベントですが、医師の先生方にとっては直接的な関連性が少なく、ご興味も薄いのではないかと思います。そこで、この連載では日常の業務で医師と薬剤師が連携・共有する実務的な論点について、課題や新たな取り組みも踏まえた考察をしたいと考えております。外から見えにくい、と言われている薬剤師の業務がイメージできるよう努めたいと思っておりますので、どうぞ1年の間お付き合いください。

安部好弘(日本薬剤師会副会長)[薬事・薬剤師]

ご意見・ご感想はこちらより

関連記事・論文

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top