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予防医学〈喫煙〉─プライマリ・ケアにおける禁煙のエビデンス[プライマリ・ケアの理論と実践(48)]

No.4996 (2020年01月25日発行) P.10

宮﨑 景 (高茶屋診療所所長)

登録日: 2020-01-23

最終更新日: 2020-01-22

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SUMMARY
喫煙による健康被害が非常に大きい中で,プライマリ・ケア医による簡単な助言,禁煙補助薬としてバレニクリン,ニコチン製剤が禁煙には有効である。またまた1日1本未満のわずかな喫煙数であっても禁煙のメリットは証明されている。

KEYWORD
行動変容
人の行動が変わることをいう。行動変容ステージモデルでは,行動変容のプロセスは無関心期→関心期→準備期→実行期→維持期の5つのステージを通ると考え,それぞれのステージごとに適した支援がある。

宮﨑 景(高茶屋診療所所長)

PROFILE
岐阜市出身,1997年名古屋大学医学部卒。内科,循環器内科研修後,名古屋大学総合診療部にて研鑽,ミシガン大学家庭医レジデンシーを経て現職。大学院生時代に健診センターでの診療に疑問を持ったことをきっかけに,根拠に基づく予防医療の普及に係る活動を続けている。

POLICY・座右の銘
First, do no harm

1 喫煙の疫学と害

日本の成人男性,女性の喫煙率はそれぞれ31.7%,9.0%(2016年)で,特に男性の喫煙率はいわゆる先進国の中できわめて高い1)。また喫煙者のうち,たばこをやめたい(もしくは減らしたい)と考えている人は全体の2/3である2)。喫煙による年間の超過死亡数は全世界で600万人以上3),日本では16万2000人と推定されている4)。また喫煙による日本の超過医療費は年間1兆5000億円(2014年)と推計されている5)

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