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医療ツーリズム[エッセイ]

No.4994 (2020年01月11日発行) P.62

田邉一成 (東京女子医科大学病院病院長)

登録日: 2020-01-12

最終更新日: 2020-01-07

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最近、医療ツーリズムを推進している病院が増えている。日本の進んだ医療を受けたい、という主にアジア諸国からの患者が多いようだ。いわゆる富裕層といわれる人々が多く、ほとんどが自費診療となるため病院経営上は歓迎されるようである。

私の病院は手術を希望して来院される患者が多いのだが、マンパワー、特に麻酔科医の人員が限られていることや、手術室などの施設面での制限があり、たくさんのインバウンド患者を受け入れることはできない状況である。国内ほとんどの基幹病院では、麻酔科医の人員確保が容易ではないことや、手術室の数が少ないことなどから、施行できる手術数がかなり制限を受けている。実際のところ、多くの病院でオペ待ち2~3カ月というのは普通で、大きな問題となっている。

このような状況下でのインバウンド受け入れには、インバウンド専用の麻酔科医をはじめとした人員確保、手術室などの施設面での拡充が必要となることが予想される。このような対応策が立てられない場合、通常、患者のオペ待機時間の延長につながるものと考えられる。したがって、現時点で多数のインバウンド患者を適切に受け入れるのは現実問題としてかなりハードルが高い。

今後、医療ツーリズムを推進する方針であればきちんとした人員、施設の拡充が望まれる。

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