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■NEWS 日本版敗血症診療ガイドライン2020、6月にも公表へ

No.4982 (2019年10月19日発行) P.68

登録日: 2019-10-08

最終更新日: 2019-10-08

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日本救急医学会は1024日、都内で総会・学術集会を開いた。「日本版敗血症診療ガイドライン2020」の公表を前に、4日にはパネルディスカッションが催された。同ガイドラインは、来年3月の日本集中治療医学会学術集会で大枠を提示し、パブリックコメントの募集を経て、6月にも正式に公表される予定。

現行のガイドラインは2016年版。4年ぶりの改訂に向け、日本救急医学会と日本集中治療医学会が共同で作成を進めている。

ガイドライン特別委員会の委員長を務める小倉裕司氏(阪大病院)は、改訂版で新たに追加する項目として、「神経集中治療」「Patient-and Family-Centered Care」「Sepsis Treatment System」「ストレス潰瘍」を挙げた。Sepsis Treatment Systemでは具体的に、一般病棟、ERで敗血症を早期発見する方法や、一般病棟で敗血症を疑う患者の病状変化へ対応をする迅速対応システム(RRS:Rapid Response system)の役割などをクリニカルクエスチョンとして取り上げるという。また今回の改訂では初めて、看護師、薬剤師などの多職種や、患者経験者もワーキンググループの委員として参加し、ガイドライン作成に携わったことも明らかにした。

福田龍将氏(琉球大)はクリニカルクエスチョンを策定する際に工夫したことについて講演した。福田氏はガイドラインの位置付けについて、従来と同様、「専門家ではなくても使えるもの」と強調。「ランダム化比較試験(RCT)以外の観察研究や質的研究も対象とし、臨床上重要な課題はすべて取り上げている」と特徴を述べた。

また中田孝明氏(千葉大)は、改訂版では正規版、ダイジェスト版に加え、ベッドサイドにおける診療支援に役立つアプリを制作中であることを明らかにした。

日本版敗血症診療ガイドライン2020作成特別委員会の委員長を務める小倉氏

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