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■NEWS 全世代型社会保障改革、医療費抑制策と患者負担増を懸念―日医・横倉会長

No.4979 (2019年09月28日発行) P.68

登録日: 2019-09-20

最終更新日: 2019-09-20

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日本医師会の横倉義武会長は、920日に開催予定の政府の「全世代型社会保障検討会議」(議長:安倍晋三首相)について、「医療費抑制策と患者・国民負担増を巡って厳しい議論が行われる見込み」として懸念を示した。

918日の定例記者会見で発言した。横倉氏は同会議の検討項目として、「後期高齢者の窓口負担の引き上げ」「市販類似薬の保険給付範囲からの除外・償還率の変更」を想定し、「国民皆保険制度の理念を変更する改革案だ」と問題視。「国民の健康と生命を守る立場から、国民が必要とする医療・介護を過不足なく受けられるよう、しっかりと主張していく」と強調した。

その上で横倉氏は、「人生100年時代において、安心の基盤は健康。高齢になっても健康を維持し、病気に罹っても重症化を防ぐという体制を作り上げることが重要だ」として健康寿命延伸に向け、予防・健康づくりの取り組みを推進すべきだと指摘。「かかりつけ医が積極的に関わることが必要だ」と述べた。

同検討会議の構成員は、西村康稔全世代型社会保障改革担当相をはじめとする関係閣僚のほか、遠藤久夫氏(国立社会保障・人口問題研究所所長)、新浪剛史氏(サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長)など有識者9名。横倉氏はこれについて、「日医を含め、医療・介護現場の関係者が除外されている」と指摘。「経済論理で議論が進み、社会保障を享受する側の意見がなかなか通らないと思う」と問題視した上で、政府に対し日医の考え方を訴えていくことを明言した。

■財源確保策として保険料率「公平化」を提言

社会保障費の財源確保策として横倉氏は、被用者保険の保険料率を「公平化すべき」と提言。保険料率は中小企業の社員が加入する協会けんぽで10%、大企業が組織する組合健保で9.22%、国家公務員共済組合で7.99%など大きな格差があるとして、すべての保険者が協会けんぽの水準に合わせた場合、「現状の保険料収入と比べて約1兆円の増収効果がある」と強調した。また傷病手当金について、「(健康保険からではなく)雇用保険で賄うことも必要ではないか」と提案。このほか、消費税以外の新たな税財源について検討するよう求めた。

日本医師会の横倉義武会長

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