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高齢者の肺炎予防に対してワクチン接種以外で注目されている予防方法は?

No.4963 (2019年06月08日発行) P.51

青柳哲史 (東北大学大学院医学系研究科総合感染症学分野准教授)

森永芳智 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・診断学講師)

登録日: 2019-06-09

最終更新日: 2019-06-04

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  • 高齢化社会において肺炎は重要な疾患です。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンによる予防も重要ですが,その他どのような方法が有効と考えますか。近年,プロバイオティクスなども話題になっていますが,どの程度有効なのでしょうか。
    長崎大学・森永芳智先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    青柳哲史 東北大学大学院医学系研究科総合感染症学分野准教授


    【回答】

    【プロバイオティクスによる予防効果が得られる人がいる可能性はあるが,その特定が課題】

    近年,医療従事者以外にも「プロバイオティクス」という単語が知られるようになりました。プロバイオティクス製剤は,腸内環境と私たちの健康との関わりが注目されるようになり,整腸薬としての利用以外にも,乱れた腸内環境の整備や肺炎の発症予防など,様々な効果を期待して使われています。

    腸管と肺は互いに離れた臓器ですが,どうしてプロバイオティクス製剤を使うことが肺炎などの様々な疾患で注目されているのでしょうか。腸管は消化吸収器官として知られていましたが,近年の急速な研究の進歩によって新しい働きの概念が確立しつつあります。その主役として注目されているのが腸内細菌叢です。腸内細菌叢は,免疫細胞の成熟や活性化,神経・内分泌機能,代謝機能などと密接な関わりがあり,様々な疾患を修飾している可能性が指摘されています。腸内細菌叢と宿主細胞が影響し合うことで生み出される,様々な代謝産物やホルモン(様)物質,免疫細胞は,体内循環を介して遠隔臓器へ分布・移動することができるため,腸内環境の変化は他臓器の機能・病態にも影響する可能性があります。豊富な微生物を有する腸管のこのようなはたらきは,“腸管エコシステム”と呼ばれ,基礎研究を通して生み出された新しい概念です。

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