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【人】楠木重範さん「理不尽なことの多い小児がんの治療体制を変革したい」

No.4775 (2015年10月31日発行) P.14

楠木重範 (チャイルド・ケモ・クリニック院長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-09

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  • 楠木重範さん(Kusuki Shigenori)

    チャイルド・ケモ・クリニック院長

    1974年奈良県生まれ。99年三重大卒。阪大附属病院小児科血液腫瘍グループ、国立病院機構大阪医療センター小児科勤務などを経て2013年4月より現職。06年患児家族、同僚医師らとNPO法人チャイルド・ケモ・ハウス設立。

    「理不尽なことの多い小児がんの治療体制を変革したい」

    家族も一緒に滞在できる全国初の小児がん専門の治療施設「チャイルド・ケモ・ハウス」を兵庫県神戸市に開設した。家族が共に滞在する医療機関は前例がないため、当初、保険診療が認められなかったが、今年7月に19床の有床診療所として正式に認可された。外来ではがん以外の子どもの診察も行い、在宅医療も担う。

    「小児がんの治療は短くて半年、通常は1年以上に渡ります。それなのに、小児がん患者は狭いベッドに閉じ込められ、お母さんは簡易ベッドに寝て付き添っているのが現状です。標準的治療ができて、小児がんのお子さん、親や兄弟姉妹も笑顔で一緒に過ごせる家のような治療施設を作りたかった」と話す。

    勤務医時代に患児家族や同僚医師らとNPO法人を設立し、7年かけて夢のハウスの実現に漕ぎ着けた。ハウスは平屋建てで、各部屋の専有面積は30~70m2。全室キッチン、風呂、トイレ付きで、診療所というより集合住宅のような雰囲気だ。居室のほかに、遊んだり勉強したり、患者や家族同士が交流できるスペースもある。建設・運営費用は、日本財団の支援、企業や有志からの寄付で賄う。

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