ダーモスコピーとは皮膚病変の非侵襲的画像検査です。特に、メラノーマを中心とした病変の診断・鑑別から研究が進み、2000年の国際的インターネットミーティングによってメラノーマ、基底細胞癌、有棘細胞癌などの皮膚の3大悪性腫瘍と、色素細胞母斑や脂漏性角化症・血管腫などの皮膚良性病変の特徴的なダーモスコピー所見が整理・整頓されました。そして、日本では、2003年に「カラーアトラスDermoscopy」(金原出版)が成書として初めて出版されました。
私は1990年に皮膚科医院を開業しましたが、黒い病変の診察のときはメラノーマを見逃してはいけないとの思いで常にとても緊張していました。当時の診断基準はABCDルールだけで、確実に良性と言い切れない病変はすべて切除生検するような状況でした。そのようなときに、メラノーマ研究の第一人者である信州大学皮膚科教授(現・名誉教授)の斎田俊明先生の講演の追っかけをして勉強していました。1時間の講演のためだけに京都まで東京から日帰りをしたこともあります。
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