[要旨]日本で生活する外国人の数は増加を続けており,地域医療の現場では日本語が不自由で生活基盤も脆弱な外国人患者と出会うことが多い。現在国は訪日外国人患者を受け入れる医療機関の整備に力を入れており,国際診療部門を設置する病院が増えている。しかし,富裕層や旅行者が念頭に置かれる傾向にあり,生活の困窮した外国人への対応はかえって後退していないだろうか。外国人診療の整備には訪日外国人への医療よりも地域住民の健康を守る視点こそが重要である。
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