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院内での認知症対策チーム立ち上げの具体的な注意点や工夫点

No.4925 (2018年09月15日発行) P.59

桺川まどか (名古屋大学附属病院老年内科)

武地 一 (藤田保健衛生大学医学部認知症・高齢診療科 教授)

登録日: 2018-09-16

最終更新日: 2018-09-11

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  • 高齢者の入院患者が増加し,入院中にせん妄を発症したり,認知症の行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)が強く,入院継続や治療にも支障をきたすケースが増加し,院内での認知症対策チームの必要性が増してきていると感じます。チームを立ち上げる場合の具体的な注意点や工夫した点を,実際に認知症対策チームの活動を既に開始している藤田保健衛生大学・武地 一先生にご教示頂きたいと思います。

    【質問者】

    桺川まどか 名古屋大学附属病院老年内科


    【回答】

    【院内対策だけでなく,退院支援や地域と連動する視点を持つと,より有効に機能する】

    認知症ケアチーム(dementia care team:DCT)は,2016年度診療報酬改定で認知症ケア加算が新設されたことで急速に普及してきた仕組みです。病院内で身体合併症を主とする医療を受けている認知症の人へのケアを行います。背景として,①通常の入院患者の中にも認知症を伴う場合が少なくなく,急性期を中心とする病院でも入院患者の20%近く,慢性期の病院では50%ほどを占めるという実態があること,②認知症を伴う場合,身体合併症の治療との兼ね合いが難しく,認知症ケアがうまくいかず在宅から入院してきた患者の認知症が悪化して施設入所になるような状況が少なからずあることなど,地域包括ケアを実現するために新たな仕組みが必要になったことが挙げられます。

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