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子宮頸癌取扱い規約で新たに分類された,胃型粘液性癌に関する最新の知見

No.4921 (2018年08月18日発行) P.59

兼城英輔 (九州大学病院産科婦人科)

西尾 真 (久留米大学医学部産科婦人科学教室講師)

登録日: 2018-08-19

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  • 2017年に「子宮頸癌取扱い規約 病理編」(第4版)が発行され,子宮頸部腺癌の1亜型として胃型粘液性癌(gastric-type adenocarcinoma:GAS)が新たに分類されました。このGASの臨床病理学的な特徴と臨床上の取り扱いに関する最新の知見を,久留米大学・西尾 真先生にご教示願います。

    【質問者】

    兼城英輔 九州大学病院産科婦人科


    【回答】

    【通常の頸部腺癌とは分離した診断および治療戦略の模索が急務】

    WHO classification of tumours of the uterine cervix(2003)(以下,WHO 2003分類)からWHO classification of tumours of the uterine cervix(2014)(以下,WHO 2014分類)への変更に伴い,子宮頸部腺癌も以下の点が変更となりました。

    WHO 2003分類において腺癌の約90%を占める粘液性癌は,endocervical type,intestinal type,signet-ring cell type,minimal deviation, villoglandular typeの亜型に分類されていました。WHO 2014分類では,粘液性癌の多くがendocervical adenocarcinoma,usual type,残りの粘液性癌が新たにmucinous carcinoma,not otherwise specified(NOS)に分類され,さらに胃型粘液性癌(GAS)が追加されました。GASは,WHO 2014分類では「a mucinous adenocarcinoma that shows gastric type differentiation」となっています。

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