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■NEWS 小児科医など医療関係者と児童相談所、連携体制強化を—政府・児童虐待防止緊急対策

No.4919 (2018年08月04日発行) P.18

登録日: 2018-07-25

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政府の児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議は20日、医療機関の体制整備を盛り込んだ緊急総合対策をまとめた。安倍晋三首相は、「子どもの命を守るため、あらゆる手段を尽くし、やれることはすべてやるという強い決意で取り組んでほしい」と各府省庁に指示した。

緊急総合対策は、児童相談所や警察が何度も介入していたにもかかわらず、防ぐことができなかった東京・目黒区の虐待死事案を受け策定されたもの。国、自治体、関係機関が一体となり、児童虐待防止対策の強化に取り組むとしている。暮らす場所や年齢にかかわらず、すべての子どもが地域でのつながりを持ち、虐待予防のための早期対応から発生時の迅速な対応、虐待を受けた子どもの自立支援に至るまで、切れ目のない支援を受けられる体制構築を目指す。

医療機関における児童虐待対応の体制整備については、小児科医をはじめとした医療関係者と児童相談所や市町村・要保護児童対策地域協議会が情報共有、研修によって連携強化することを明記。中核的な小児救急病院には児童虐待専門コーディネーターを配置し、医療機関への研修・助言を行うとした。

2018年度診療報酬改定で、医療機関と関係機関の連携を評価する入退院支援加算の対象に、虐待を受けているまたはその疑いがある患者を追加したことについては、改定の効果を調査・検証しつつ、関係機関との連携推進が図れるよう引き続き検討する。

医療を必要とする子どもの保護の体制強化も図る。退院可能な子どもに適切な支援を提供するため、児童相談所と医療機関、児童養護施設との調整機能を強化。退院後の受け皿を確保する。心身の状況により入院が長期化せざるを得ない子どもの付き添い職員の配置についても取り組みを進めるとしている。

同会議は財政的な措置が必要なものについて、緊急総合対策を踏まえ、引き続き地方交付税措置を含め予算編成過程で検討する方針を示した。制度的な対応が必要な事項についても検討し、措置を講じる。また目黒区の事案の検証を踏まえ、必要な対策を別途追加して取り組むとしている。

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