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安定期の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の薬物療法における吸入ステロイドの適応【喘息の既往,末梢血等の好酸球数高値,高い呼気NO値を示す患者には積極的な適応あり】

No.4916 (2018年07月14日発行) P.54

坂東政司 (自治医科大学内科学講座呼吸器内科学部門教授)

桑平一郎 (東海大学医学部内科学系呼吸器内科学教授)

登録日: 2018-07-11

最終更新日: 2018-07-10

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  • 最新の診療ガイドラインでは,安定期の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の薬物療法の中心は長時間作用性抗コリン薬(LAMA),長時間作用性β2刺激薬(LABA)およびその配合薬で,患者の状態に応じで段階的に多剤を併用することが推奨されています。安定期COPDの薬物療法における吸入ステロイドの適応について,3剤併用吸入療法の意義を含め,東海大学・桑平一郎先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    坂東政司 自治医科大学内科学講座呼吸器内科学部門教授


    【回答】

    吸入ステロイド(inhaled corticosteroid:ICS)は,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)においては量─反応関係がありません。過去の大規模臨床研究やメタ解析では,ICSを長期使用しても1秒量の経年的低下は抑制されず,死亡率にも有意差がないことが示されています。このためICSを単剤でCOPDに対して使用することはなく,長時間作用性β2刺激薬(long-acting β2–agonist:LABA)あるいは長時間作用性抗コリン薬(long-acting muscarinic antagonist:LAMA)と併用することが原則です。現在,LABAとICSについては複数のLABA/ICS配合薬が使用可能です。

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