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社会保障抑制の「目安」示さず、2040年見据え「給付と負担の議論を」 骨太方針・成長戦略が閣議決定

No.4913 (2018年06月23日発行) P.20

登録日: 2018-06-18

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政府は15日、「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太の方針)と「未来投資戦略2018」(成長戦略)を閣議決定した。

骨太の方針では、社会保障関係費について「実質的な増加を高齢化による増加分(自然増)に相当する伸びにおさめる」としながらも、自然増の抑制の数値目標は明記しなかった。一方で、75歳以上になる高齢者の伸びが鈍化する2019~21年度を「基盤強化期間」と位置づけ、団塊世代が75歳以上に入り始める22年までに自然増抑制や医療・介護サービス供給体制の適正化・効率化を進めるとした。

さらに、高齢化と人口減少がより深刻となる2040年頃を見据え、社会保障給付や負担について「国民的議論を喚起することが重要」と指摘。具体的な方向性については、2020年度の骨太の方針で「総合的かつ重点的に取り組むべき政策」を取りまとめるとした。

■糖尿病、CKD、認知症の予防を重点推進

健康寿命の延伸に向けては、糖尿病等の生活習慣病、慢性腎臓病(CKD)、認知症の予防に重点的に取り組む方針を明示。県・国民健康保険団体連合会・医師会等が連携して糖尿病等の重症化予防に取り組む埼玉県の事例など、先進・優良事例の横展開を今後3年間で加速させる。

医療提供体制改革の中で、導入に向けて「検討する」と明記された施策の中には、「地域独自の診療報酬の活用」「外来受診時定額負担」など、医療界がかねて強く反発してきた項目も含まれている。

■服薬指導含む「オンライン医療」を充実

成長戦略では、技術革新を活用した生産性向上の取り組みとして、個人の健診・診療・投薬情報を医療機関等の間で共有できる全国的な保健医療情報ネットワークについて、2020年度からの本格稼働を目指し、今夏をメドに工程表を策定するとした。また、オンライン診療に遠隔服薬指導などを加えた「オンラインでの医療」の充実に向けては、次期以降の診療報酬改定における有効性・安全性の評価、法改正などの対応を進めることも掲げた。

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