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画像・病理でみる認知症の鑑別診断 若年性アルツハイマー病─画像診断,病理所見・PiB-PET所見との対比 [学術論文]

No.4706 (2014年07月05日発行) P.38

川勝 忍 (山形大学医学部医学科精神医学講座准教授)

小林良太 (山形大学医学部医学科精神医学講座)

林 博史 (山形大学医学部医学科精神医学講座講師)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-28

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  • 若年性アルツハイマー病では,アルツハイマー病の特徴とされる海馬の萎縮が約半数でみられないため,MRIだけでは診断ができない場合がある。その際,脳血流SPECTと画像統計解析で,頭頂葉や後部帯状回の血流低下をみるとよい。さらに,保険適用ではないが,アミロイドPETも早期診断に有用な検査である。

    1. 若年性アルツハイマー病(AD)の特徴

    アルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD)の中でも,65歳以前の比較的若い年代に発症するものは,早発性(early-onset)あるいは若年性ADと呼ばれる。一般にADの特徴と考えられている海馬を中心とする萎縮がなく,記憶障害よりも失語・失行・失認などの高次脳機能障害で発症する例も稀ではないことから1),かなり進行してからようやく診断される例が多く,働き盛りに発症する例が多いことと相まって,社会問題にもなっている。若年性ADでは,脳血流SPECT(single photon emission computed tomography)のような機能画像検査が診断に果たす役割が大きい。本稿では,剖検またはアミロイドPET(positron emission tomography)で確認された症例を提示する。

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