株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

FD診療Q&A

FD(機能性ディスペプシア)診療の決定版

定価:4,950円
(本体4,500円+税)

在庫切れです

立ち読み

編集: 本郷道夫(東北大学病院総合診療部 教授)
判型: B5判
頁数: 160頁
装丁: 2色刷
発行日: 2011年10月05日
ISBN: 978-4-7849-4085-1
版数: 第1版
付録: -
■FD(機能性ディスペプシア)診療に必要な,定義,疫学,原因,病態,診断,検査,患者説明,治療(生活指導/薬物),長期経過についての知識を,最新エビデンスを踏まえつつ網羅的に解説。実践的な診療テクニックが学べます。
■同シリーズの「IBS(過敏性腸症候群)診療Q&A」「GERD(胃食道逆流症)+NERD(非びらん性胃食道逆流症)診療Q&A」と併せ,診察室にぜひ置いていただきたい書籍です。
診療科: 内科 消化器内科

目次

FDの定義
Q 1_臨床でRomeⅢはどのように活用するのがよいでしょうか?
FDの疫学
Q 2_サブタイプ別の年齢・性別の分布は? また,FDとIBS,GERDの症状のオーバーラップがあるのはなぜですか?
FDの原因
筋層
Q3_消化管運動異常は症状の原因となりますか?
粘膜1
Q4_ヘリコバクターピロリ感染とFDの関連はどう解釈しますか?
粘膜2
Q5_酸分泌は症状の原因になりますか?なるとしたら酸分泌亢進のためですか?それとも酸分泌低下のためですか?
粘膜3
Q6_感染後FDとはどのような考え方ですか?
内腔/行動
Q7_どのような食事内容,あるいは食事の仕方が症状に影響しますか?
中枢1
Q8_FDになりやすい性格はありますか?
中枢2
Q9_ストレスで起こる症状はFDですか?
遺伝子
Q10_遺伝子の影響はあるのでしょうか?
FDの病態
Q11_症状がQOLを障害するといいますが,具体的にはどのようなことですか?
Q12_内臓知覚過敏とはどのようなものですか?
FDの診断
Q13_診断基準とGPレベルで鑑別すべき診断,注意すべき疾患は何ですか?
FDの診断に必要な検査
一般的な検査
Q14_内視鏡検査,H.pylori確認について教えて下さい。
特殊な検査
Q15_胃排出能検査,ドリンクテスト,内臓知覚検査,バロスタットなどについて教えて下さい。
FDの説明
病気の説明
Q16_患者にどう説明するのがよいでしょうか?
FDの治療
生活指導
Q17_どのような食事の習慣が症状に影響しますか?どのような生活指導をすればよいでしょうか?
薬物療法/酸分泌
Q18_胃酸分泌抑制薬はどのような症状の患者に使いますか?
薬物療法/消化管運動機能
Q19_消化管運動機能調整薬はどのような患者に使いますか?
薬物療法/向精神薬
Q20_向精神薬はどのような症状の患者に使いますか?
薬物療法/除菌を考えるタイミング
Q21_どのような時に除菌を考えればよいでしょうか?
薬物療法/和漢薬
Q22_和漢薬はどのような症状の患者に使いますか?
FDの長期経過
Q23_FDは長期的にどのような経過をたどるのでしょうか?

もっと見る

閉じる

序文

functional dyspepsia (FD) は,上腹部愁訴があるものの,その症状の原因となる内視鏡所見あるいは血液生化学所見の異常が同定できないものを指す。症状は慢性的で,食事との関連,ストレスとの関連,日常生活の様々なイベントとの関連が無視できない病態である。上部消化管臨床ではきわめて頻度が高いもので,患者には「胃炎」「慢性胃炎」「胃が荒れている」という説明をしたり,患者は「胃弱」「胃が弱い」といった表現をしたりする。生命予後に大きな影響を与えないため,症状があっても内視鏡検査で「大丈夫」と保証するだけでも症状がいったん解消するものも決して少なくない。薬物治療も,消化管運動を改善するもの,胃酸分泌を抑制するもの,抗不安薬(いわゆる安定剤),抗うつ薬,漢方製剤,ヘリコバクターピロリ除菌等々,様々なアプローチが試みられる。FDが単一のカテゴリーの病態であるならば,これほどに多彩なアプローチが,それぞれに有効性を主張するのはなぜだろうか?病態の多様性と定義のあいまいさ,評価の多様性などに加え,その要因もまたきわめて多様である所以といえよう。

€1980年代後半からnon-ulcer dyspepsia(NUD) という新しい概念のもとに様々な研究がスタートし,Rome委員会の前身の国際委員会でfunctional dyspepsiaという用語がまず最初に共通言語としてコンセンサスを得た。その後はRome委員会のメンバーを中心にFDの病態解明,合理的対応についての研究が盛んになってきた。とはいえ,その定義,評価はまだ混乱した状況にある。本書は様々な切り口からのFDの病態,診断,治療について最新の知見をまとめたもので,その混乱の理由も理解でき,さらに次のステップへの手がかりの大きな参考になるものと期待する。

€2011年9月吉日

編者 本郷道夫

もっと見る

閉じる

正誤情報

下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。

このたびは『FD診療Q&A』をご購入いただきまして誠にありがとうございます。本書に以下の誤りがございました。ここに訂正させていただきますとともに深くお詫び申し上げます。

執筆者
一覧
鈴木 剛  東京警察病院消化器科 副院長 鈴木 剛  東京警察病院消化器科 副部長

もっと見る

閉じる

関連書籍

もっと見る

関連記事・論文

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top