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IBS診療Q&A

IBS(過敏性腸症候群)診療の決定版

定価:4,180円
(本体3,800円+税)

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編集: 福土 審(東北大学大学院医学系研究科行動医学分野 教授)
判型: B5判
頁数: 128頁
装丁: 2色刷
発行日: 2011年10月05日
ISBN: 978-4-7849-4083-7
版数: 第1版
付録: -
■IBS(過敏性腸症候群)診療に必要な,疾病定義,疫学,原因と病態,診断,治療(薬物/非薬物),予後についての知識を,最新エビデンスを踏まえつつ網羅的に解説。さらに,典型症例と治療例を参照することで実践的な診療テクニックが学べます。€
■同シリーズの「FD(機能性ディスペプシア)診療Q&A」「GERD(胃食道逆流症)+NERD(非びらん性胃食道逆流症)診療Q&A」と併せ,診察室にぜひ置いていただきたい書籍です。
診療科: 内科 消化器内科

目次

IBSの定義
Q 1_IBSとはどのような疾患ですか?
IBSの疫学
Q 2_IBSの有病率や罹患率はどのくらいですか?
IBSの原因と病態
Q 3_IBSの原因として,どのような機序がわかっていますか?
Q 4_IBSの症状が起こる病態はどのようなものですか?
IBSの診断
Q 5_画像検査と診断基準を組み合わせて,どのように診断すればよいのですか?
Q 6_IBSの型分類はどのようなものですか?またIBSのようでIBSと言い切れない場合,どうしますか?
Q 7_IBSと紛らわしい器質的疾患は何でしょうか?
Q 8_IBSに合併・併存しやすい疾患は何でしょうか?
治療 1:薬物療法
Q 9_IBSの消化管に対する治療はどのようにすればよいですか?
Q 10_IBSの中枢薬理による治療はどのようにすればよいですか?
治療 2:非薬物療法
Q 11_最初にIBS患者を目の前にした時にどのように対応すればよいですか?
Q 12_生活習慣はどのように指導すればよいですか?
Q 13_IBSに対する心理療法とはどのようなものですか?
Q 14_心理的異常が認められる場合にどのように治療すればよいですか?
IBSの典型症例と治療例
Q 15_典型的な下痢型IBSの実例はどのようなものですか?
Q 16_典型的な便秘型IBSの実例はどのようなものですか?
Q 17_典型的な混合型IBSの実例はどのようなものですか?
IBSの予後
Q 18_IBS再発予防のために必要なことは何ですか?

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序文

過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)の医学書を上梓できたことを編著者として喜びたい。わが国のIBS研究の世界にも歴史がある。東北帝国大学精神科初代の丸井清泰教授は東京帝国大学青山内科出身の内科医であり,アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のアドルフ・マイヤー教授のもとに留学した。マイヤーの考えは精神生物学を基本とし,患者の生育歴と刺激への反応パターンを重視するものである。原初的な生物心理社会モデルと言って良いであろう。丸井は大正8年7月に帰朝し,同年9月東北帝国大学教授に任ぜられ,精神病学講座を担当した。東北帝国大学医学部の学生であった山形敞一と松永藤雄は丸井の講義の影響を受け,心身相関に興味を持つ。彼らはともに昭和11年3月,東北帝国大学医学部を卒業し,山川章太郎教授の主宰する第三内科学教室に入局する。教室は昭和16年から黒川利雄教授の時代となった。黒川利雄教授は内科学の診療,研究,教育に多くの業績をあげたが,「医師というものは,単に治療にあたるだけのものであってはならない。患者と心情を共にし,その上に立って患者を世話する心構えを持たなければならない」と,誠心誠意患者に接することを学生や医師に示し,心身医学が育つ土壌を作った。
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山形教授は黒川教授の後を受け,昭和35年から消化器と糖尿病を担当する内科学第三講座を主宰し,心身医学の内科的基礎を固める。一方,松永教授は昭和21年に弘前大学に着任し,内科学第一講座を担当した。松永教授は下部消化管疾患を主要研究テーマとし,大腸内視鏡検査法を開発した。当時,米英で取り上げられ始めたirritable colon syndromeを日本において本格的に研究し始めたのがこの2人であり,刺激結腸(山形),過敏性大腸症候群(松永)とした。その慧眼が偲ばれる名訳である。その門下からはIBSに関係した多くの人材が出た。山形教授の系統の鈴木仁一助教授,本郷道夫教授,松永教授の系統の川上澄教授,佐々木大輔教授である。山形・松永の両教授と時代をほぼ同じくして,九州大学の池見酉次郎教授,鹿児島大学の金久卓也教授,広島大学の三好秋馬教授もまた独自にIBSの研究を行い,さらに九州大学の中川哲也教授,旭川医科大学の並木正義教授,福岡大学の井上幹夫教授,山形大学の石川誠教授,東海大学の三輪剛教授が続いた。群馬大学の伊藤漸教授は消化管運動の面からIBSに多くの示唆を与えた。欧米ではその後,Rome委員会が発足し,日本からも国立国際医療研究センター国府台病院の松枝啓院長と筆者がRome ・に参加した。
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このように辿ると,わが国のIBSの研究というものも,国内外の切磋琢磨を経て連綿と続けられてきたものであることが了解できよう。そしてまた,現在の本書の執筆陣がどのような背景と情熱でもって本書に臨んだかが理解頂けるのではなかろうか。IBSの研究の進歩は長足である。一方,その全容を解明するにはArs longa,vita brevisの成句が浮かぶ。しかし,日々の診療にはこの長足の進歩を熟知してあたらねばならない。本書を手にした読者は黒川利雄教授と同じ「臨床の心」を強く持つ医師に違いない。そう確信している。

€2011年8月吉日

編者 福土 審

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